同じ姿勢でずっと作業し続けたり、同じ部位だけを使った行動を繰り返すと、肩こりや腰痛などがおこり、無理にし続けると、やがて身体を傷める。

 

マッサージなど身体に刺激を与える治療では、適度な痛みを上書きする事で、痛みをやわらげる。

 

精神的に苦しい時、自分を痛めつける事で、心の痛みをやわらげようとして、自傷行為などをする者もいる。

 

人は、同じことを繰り返す事で習熟して、無駄な動きをしなくなり、効率よく動けるようになる。

しかし、それと同時に、利き手ばかりを使うようになるので、利き手は強くもなるが、ある限界点を超すと今度は傷んでくる。

手首の使い過ぎによる腱鞘炎などが、いい例である。

 

自動化とは、無駄な作業を極力減らすことである。

そのため、単調で自動的な動きを強いられる人は、身体の不調をきたしやすい。

 

一方で、気を使う事や頭脳労働を長時間する人も、身体の不調をきたしやすい。

 

人間らしく生きるには、自動的な動きも大脳を働かせる動きも、両方必要だ。

 

自動的な動きとは、気を使わないということである。

 

人生全体の中で、気を使う事と、気を使わない事の割合を自分で見つけていくといい。

 

幼少期は、無駄なことをいっぱいしておいた方がいい。

そうすることで「無駄」と、「何かのためになる事」の区別がつくようになる。

大人になるに従って、人は役割を与えらるようになるため、効率を求められるようになり、無駄を楽しむ時間が減る。

だから、意識して無駄をしないと、年がら年中、「ためになる事ばかり」、やらされるはめになる。

家庭や職場など、社会の中で役に立つ事ばかりしている人は、社会にとって全く役に立たない事をこまめにするよう心掛けないと、反動でとんでもない時にとんでもない事をしでかしかねない。

 

こまめに無駄を楽しむことが、結果的に効率のよい人生には必要だ。