売春婦や男娼は、最も古い職業らしい。昔から人間は、身を売って生計を立ててきた。

今も我々は報酬を得るために、いわば会社や客に身を売っている。クレームに対処したり、罵声を浴びせられることもある。感情を押し殺し、嫌な客も接待しなければならない。売春婦と何ら変わりはない。

 

性衝動は、抑えれば抑えるほど増す。

修行僧は性をタブーにする事で、辛い修行に耐えたり、新しい思想を生む原動力にしているのではないか。

売春防止法があるせいで、地下にもぐって性風俗が盛んになり、SNSなどの出会い系での事件も増えた。漫画やゲームの性描写も過激化している。

しかし一方で、性を表向き抑制することで、文明や文化が花開いた側面も大いにあるようだ。

 

社会で抑圧された感情の爆発が、暴力や暴言、SNSの炎上という形で表れているように見受けられる。

 

抑圧された負の感情を「笑い」というかたちで昇華しているのが、コメディーではないか。

笑いは、極めて複雑でハイレベルな感情表現である。

笑いを生み出すことは、人間に与えられた表現手段の中で最も高尚であるとも言える。

成熟した大人の遊びである。

 

我々は社会生活で押さえつけられた性衝動や怒りを笑いに昇華することで、創造性を増すことにエネルギーを注ぐといい。

そうすればきっと、本当の春が訪れるはずだ。