子供の記憶力がいいのは、大脳が発達していないからではないか。

 

記憶の過程の仮説を立ててみた。

まず、ある感覚情報が入ると、その情報について、大脳で理解する。

そして、それを記憶しようとして、それと同じ情報を自分の意思で大脳を使って繰り返す。

やがて、この同じパターンの情報が繰り返し送られ続けると、それは大脳から降りて行って、脳の深い部分で記憶される。

そうすることで、今度その同じ行動をしようとするとき、大脳を通さず自動的に行えるので、大脳に余力が出来る。それによって、その余力を使って大脳が今までとは違った、新しい行動を起こしやすくなる。つまり、創造性が生まれやすくなる。

 

この同じパターンの情報の繰り返しが退屈なので、大人には忍耐に感じる。

しかし、子供は大脳が未発達なので、最初の大脳で理解する事と、大脳で意識的に繰り返すという事を飛ばして、自分にとって快となる情報はただやみくもに情報を繰り返す事が出来る。このために、子供は記憶の吸収が良いのではないか。

 

効率的に生きていくためには、まずその環境に順応しなくてはならない。それには、疑わずそれまでの人間の行動を受け継ぐ必要がある。そのため、幼少期は大脳を発達させず、生きる基本が出来上がってから、大脳を発達させていくのではないか。

新しいものを生み出すには、疑わなければならない。そのため子供は、ある時期「どうして」を連発して大人を困らせたり、思春期頃に大脳が飛躍的に発達して、疑うことを覚えはじめ、反抗期を迎えるのではないか。

 

ということは、大脳を使わずに何も考えないで、ただ繰り返す忍耐力さえあれば、まず記憶は出来るということになる。

「意味は考えずに音で覚えなさい」というのは正しいのか。