近頃、自己肯定感という言葉をよく聞く。自分のあり方を正しく認識し、受け入れることらしい。

 

自分の短所を受け入れるというのは容易ではない。肯定するためには、いったん否定しなければならない。努力で何とかなるものは、長所に出来る。しかし、自力ではどうしても乗り越えられないとき、受け入れるしかない。これが出来る人間は、成長する。ときに偉人は、その短所を凌駕する能力を発揮することもあり、世間を驚かす。

一流の芸術家などが後継者を育てるときに、褒めると成長をとめてしまうので、決して褒めないという話を聞いた。

 

世間は、この努力の部分をすっ飛ばして、ただ受け入れることだけを自己肯定と勘違いしているふしがある。

 

一方、否定され過ぎて患う人を癒すとき、肯定して励ますことは有効な手段になることもある。

ちまたでは、肯定的な言葉があふれている。自己肯定感もそのひとつだ。

現在、日本は社会的に患っているのかもしれない。苦しい時は、成長しようとしているときだ。日本は、今成長するかしないかの過渡期なのか。