人間は放っておくと、すぐに死にたくなるようだ。

だから、死んだらダメですよ、というキャンペーンをしないと、うっかり死んでしまう。

 

どうやら生命は、つながっているらしい。だから、世界から切り離された状態は、苦しみである。すなわち、生きていることは、基本的に苦痛である。だから、快の報酬を与えないと、すぐに土にかえりたくなる。

動物は意識を持つことで、世界と切り離された状態を保っているらしい。つまり、意識があるから生きていると感じる。

 

死にたくならない方法は何か。

快を感じる努力をすることである。

 

ひとつは、世界との一体感を感じるようにする。孤独にならないことだ。つとめて人間、動物、自然などと接するようにする。何らかの生命と一体感を保つようにする。人間と一体感を保ちたいのなら、リアルが一番いいが、無理なら、テレビや本、SNSでも何でもいい。

 

もうひとつは、活動することである。忙しくする。意識を集中することで、無意識の状態をつくる。出来れば好きな事をすると集中力が増す。夢中なとき、意識がない。

 

そしてもう一つは、ほどよく眠ることである。意識を断つと、世界との一体感を保てる。動物は、自動的に眠るように出来ているらしいが、近年の文明の発達で眠りを妨げるものが増えた。このため、眠りが少ない人が多いようだ。

 

苦しみの多い人ほど、創造活動が盛んなように感じる。

心地よい体験をしたり、素晴らしい作品や人間と出逢う事で、人類は何とか生き延びて来たのであろう。 

しかし、この人間という現象を生み出した生命は、ただただ不思議である。