お通夜2日目は祖母の感情が一切わかりませんでした。

本当に何も感じない。

昨日の感覚は私の思い込みだったのかな?

 

 

そして翌日、告別式。

 

 

葬儀屋さんが来て

初日以外は閉じていた棺の蓋を外しました。

これから、あの世へ旅立つ準備を始めます。

 

 

するとですね。

 

 

何故か祖母の「何か」が伝わるんです。

今度は超絶幸せな気持ちではなく。

凛として佇んでいる。

そんな感覚。

 

 

視えないのに分かるんです。

祭壇と棺のわずかな間に凛として佇んでいる。

 

 

思わず祖母に心の中で

「何してんの?」と質問。

 

 

すると祖母は

「待っている」

そう返事しました。

 

 

あぁ・・返事するんだ。

そう思ったのが正直な感想。

 

 

そして何となく

あの世からのお迎えを待っているのかな・・・と。

 

 

暫くしたら祖母と同居していた

要介護の叔父が施設から帰って来ました。

 

 

祖母が亡くなった事で一時的に施設に宿泊。

叔父が不安がって荒れるのを防ぐため

祖母は入院している事になっていました。

 

 

流石にずっと嘘はつけない。

今朝、告別式をする為、祖母が亡くなった事を伝えたそうです。

 

 

脳梗塞で倒れて以来、言葉を発する事が難しい叔父。

私の母(叔父の姉)が亡くなった事も

思い出したり忘れたり。

 

でも流石にずっとこの家で一緒に住んでいた

自分の母親が亡くなった事は理解できるだろう・・・と。

 

 

叔父は荒れる事なく

安らかに眠っている祖母を見て大泣きしました。

脳梗塞で倒れるまで祖父母の家計を支え

生まれてから片時も離れることなく一緒に暮らした祖母。

 

 

倒れた当日。

たまたまデイケアの日で不在だった叔父。

 

 

見ていて苦しかったです。

その時、祭壇と棺の間にいた祖母がいつの間にか

私から見て叔父の右隣へ移動。

 

 

視えてないのに何故か分かりました。

祖母は叔父の頭に手をやり

 

 

「ごめんね」

 

 

叔父にそう伝えました。

 

 

他の兄弟姉妹には「ありがとう」

でも叔父には「ごめんね」

 

 

きっと祖母はこれからこの家で暮らす事のない

祖母がもう面倒を見る事が出来ない長男を哀れみ

そして祖母なりに、叔父の未来の生活を覚悟していた。

そんな感じがしました。

 

 

だからたった一言。

 

 

「ごめんね」

 

 

私は祖母の母としての愛情と覚悟を理解すると

涙が止まりませんでした。

 

 

叔父に謝った祖母は叔父の傍らで

泣いている親族に向かい

 

 

「後はみんなで色々考えてやってね。おばぁはもう行くね。」

 

 

そう言い残し。

そこからは一切、祖母の感情、感覚は伝わらなくなりました。

 

 

きっと母と祖父と一緒にあの世に旅立ったんだと思います。

おばぁ、又、家族(母・祖父)に会えて良かったね。

 

 

祖父が夢で、祖母の遠くにいたのは

夢の中で祖母が亡くなるまでの距離「時間」を教えてくれた。

後日気が付きました。

 

 

日が沈む事から

沖縄では西をあの世と置き換えます。

だから人が亡くなると頭を西に向けます。

 

 

西日(あの世)をバックに佇む祖母と母。

離れた距離(2か月弱)にいた祖父。

 

 

年を取ると「死」に対する恐怖が薄らいでいく事が

感情で理解出来るようになりました。

 

 

大切な人、会いたくてたまらない人が待っている。

その存在に褒めて貰えるように

生きている今を精いっぱい楽しもうと思います。