こんにちは、さなえです。昭島市で新体操を教えたり、健康運動指導士として健康体操を指導したりしています。
また、YouTubeチャンネルで新体操の手具の基本操作を「たのしく」「わかりやすく」配信しています。
私は、小学校4年生の終わりに新体操を始めました。その後育成コースに入り、中学生になると全中と全日本ジュニアで優勝することができました。
教室での練習は、はじめが週1回、育成コースで週2回、中学生の時は週2~3回(試合近くは週4回になることもありました)。選手として教室での練習日数は少なかった方だと思います。
新体操を始めたのが遅かったのと、教室での練習量が少なかったにも関わらず試合でいい結果が出たのは、教室での合理的な練習の他に大きな理由があります。
とにかくおうちでは手具操作の練習!
それは、手具の基本操作の練習をおうちでたくさん練習したことです。教室がない日はおうちで手具の基本練習を繰り返しました。おうちの中でやりにくいロープやフープも外用のものを買ってもらい、自宅の前で練習していました。
あこがれの選手になりきって難しい操作も練習しましたが、選手としてのレベルが上がっても、手具操作の基本練習を繰り返しました。
なぜそんなジミな練習を繰り返せたのかといったら、ズバリ「楽しかったから」(笑い)。手具をスムーズに滑らかに動かせれば動かせるほど手具と身体が一体になったような「気持ちよさ」が感じられました。
そしてさらなる「気持ちよさ」を求めて延々と手具の基本操作の練習を繰り返していました。
こうしておうちで練習していくと、教室のレッスンで習う難しい操作がすぐにできるようになりました。
さらに習ったこともない難しい操作が自然にできるようにもなりました。
「あ、こういう操作できるかも?」「こういうやり方もできるよね?」と頭によぎったイメージをなぞって動いてみると、「あ、本当にできた!」そんなカンジでした。
私の自慢話はこれくらいにして(笑い)、小学校高学年の指導のポイントについてお話しします。
課題と向き合って、克服する
小学校低学年までは、できたことをほめてやる気を出させることが重要です。たとえば、ボールの転がしが「できた!」、ボールの投げのキャッチが「できた!」ら子供たちはうれしいわけです。このタイミングで一緒に喜びほめてあげることで子供たちに自信とやる気を与えることができます。
完成形からみるとまだまだ課題はありますが、この時期は細かい指導しても理解できない子供がほとんどですので、原則として細かいことは言わないようにしています。
小学校高学年になると、指導方法を変化させ、子供たちに一段高いレベルを要求します。
例えば、ボールの基本の転がし(手→胸→反対の手)では、手から胸を通って反対の手まで転がせたら、「とりあえずできた」ことになります。
しかし、「完成度(質)の高い転がし」と認められるためには、「ボールが弾んでないか?」、「反対側の手のポジションはどうか?」などのいくつかの課題をクリアしていなければいけません。
基本の転がしが 「とりあえずできた」レベルのまま、課題を克服せずに、難しい転がしに挑戦してもなかなかうまくいきません。たとえ、「とりあえずできた」としても、クリアできなかった課題は残ったままなので、完成度が高いとは評価されません。
だから、小学校高学年の指導の時は、「とりあえずできた」子供に対しては、ほめながらも課題はキッチリ伝えします。そしてその課題を克服するための練習のポイントを伝えます。
「基本操作の練習」を好きになってもらう指導
とはいっても多くの子供たちは、基本練習が好きではないし、その重要性を理解することはなかなかできません。
また、この時期になると、いろいろなことができるようになってくるので、ちょっと難しいことに挑戦したがります。特に同い年や年下の子供が難しいことができる場合は、なんとか同じことをしようとして、基本練習より難しいことを練習したがります。
でも私は、正しい基本操作の「気持ちよさ」に気付いてもらうような指導を心がけています。
質の良い動きをすると「気持ちよさ」が感じられるものなんです。
子供たちもときどき質の良い動きができる時があります。
その時「あ、なんかいいかも、、」と何かしら感じているはずなんです。
そのタイミングで「今の! 今の良かったね!」と声をかけて気づきをうながすようにしています。
こんなふうにして、「やらされる」練習から、「やりたい」練習に変わるようなアプローチを行っています。
「やりにくさ」の先に「成長」がある!
繰り返し書いているように、私の教室では、基本を楽しんで練習することを伝えています。勘違いしてほしくないのですが、「楽しい」ということは、「自分がやりたいようにやる」のとは違います。「自分のやりたいようにやる」だけでは、「クセを強めるだけ」で上達に向かっていかない時もあります。
子供たちにとって「やりにくい」練習をさせなければならない時もあります。
しかし、その「やりにくさ」の先に「気持ちよさ」、そして「成長」があります。
このことは、他のスポーツでも、他の習い事でも、勉強でも同じだと思っています。新体操教室で学んだことが彼女たちの将来に役立ったらうれしいなと思いながら指導をしています。
このブログでは、みなさんの新体操が上手くなるために役立つ内容や、私が新体操に関して感じているあれこれをまじめにすなおに発信していきたいなと思っています。みなさんの新体操の上達に役立てれば嬉しいです。
次回は、「第4回 『太極拳から得た気づき ~ケガしない身体づくり~』の予定です。
追伸
このブログに関するご意見、ご質問、その他の連絡事項は、TwitterのDMにご連絡ください。
さなえ より

