こんにちは、さなえです。昭島市で新体操を教えたり、健康運動指導士として健康体操を指導したりしています。また、YouTubeチャンネルで新体操の手具の基本操作を「たのしく」「わかりやすく」配信しています。
「さなえのおうちの新体操ちゃんねる」
https://www.youtube.com/channel/UCJ_vgZ-hjuYVHKuiQwQTLPg/
指導のための本がなかった
私は主に幼児~中学生の子供たちに新体操を指導してきました。指導を始めた時は新体操の知識はありました。でも、「どうやって子供たちに指導していくのか?」や「子供時代はどのような練習をさせればいいのか?」を体系的に学べる本には出合えませんでした。
そこで、先輩たちの指導を観察したり、ほかのスポーツの指導方法も参考にしながら自分で考えたり、工夫したりしてきました。指導歴も15年以上になり、ある程度考えがまとまってきたので、私の教室のやり方、考え方をお伝えしたいと思います。
ここは新体操教室?
多くの人は、新体操教室の練習というと、姿勢の訓練や柔軟体操、そして手具操作の練習などをイメージすると思います。でも私の教室の幼児や小学校低学年コースでは練習の最初に、かけっこや大縄跳び、マット運動、ボール遊びなど全身を使った運動を行います。同じメニューではすぐに飽きてしまうので、子供たちの反応を見ながら変化をつけていますので、子供たちは嬉々として運動に取り組んでいます。一見すると、新体操教室と思えないかもしれない(笑)。
前回のブログを読んだ方は、「手具の基本操作が大事じゃなかったのか?」、「新体操の動きをしないなら、他の運動教室に通えばいいじゃないか」と思うかもしれません。でもこれには理由があります。
この時期は土台づくり
新体操の動き以外の運動を行う理由は、この時期の子供たちには、たくさんの「刺激」も与えた方がよい時期だと考えているからです。新体操らしい動きや手具の操作が本格的にできるようになるのはもう少し先でもいいと思っています。この時期にはたくさんの運動を「体験」すること、そして運動が「たのしい」と感じることが、その子の運動能力の発達に大きな影響を与えると思っています。
「新体操以外の運動刺激は外で遊んだり、他の習い事をすればいいじゃないか、新体操教室では新体操の動きだけ練習すればいい。」という考えもあります。たしかにそういう考え方もわかります。でも私のまわりを見渡すと、外での遊びの質・量が昔に比べて下がってきているように思います。公園ではボール遊びが禁止され、低学年のうちから塾や知育系の習い事に通う子も増え、自由時間にはスマホやゲームをする子供が多いように感じます。全体的にみて子供たちの運動の量・質が低下しているのは間違いないと思います。新体操以外の習い事で運動を行うのも、親の経済的・時間的負担を考えるとすべての子供ができるわけでありません。
新体操選手としての将来を考えた時に、あえてこの時期はたくさんの運動「刺激」を与えて、総合的に運動能力を開花させる土台作りを行った方が良いと考えています。現在の新体操の競技をみていると、演技が昔に比べてはやくなっているように感じます。はやいテンポの演技を行うには、柔軟性や踊りのセンスだけでなく、高い運動能力が求められます。
また、子供たちが将来新体操以外のスポーツに興味が出てきた時のことも考えて、小さいうちに運動能力を高めておくことは意味があると思います。
発表会の演技に組み込む
YouTubeでは、新体操の手具の基本操作を延々と繰り返しているので、私の教室でもあんなカンジで反復練習しているのかな?と思っている人がいるかもしれません。はっきり言って子供たちは反復練習がきらいです(笑)。反復練習を行うとすぐに表情にあらわれます(笑)。だから私は、教室が開催する発表会の演技を利用します。
私の新体操教室では、通常、夏とクリスマスと3月の年3回発表会を行っています。お父さんお母さん達も観に来る子供たちにとっての一大イベントです。この演技の中に手具の基本操作を組み込んでおきます。本番近くになると演技の練習に力が入るようになるので、手具の基本操作の練習を真剣にやらざるを得ない状況を作り出しています。
あえて、少し練習が必要なレベルの手具操作を入れています。「さすがに今回は少し難しいかな?」と思うこともありますが、本番ではうまくできて喜ぶ子供がほとんどです。子供たちと、そして観に来たお母さんお父さんが喜ぶのを見るとこちらもうれしくなります。
「やりたい!」と思うまで「待つこと」も大事
発表会の話に戻りますが、子供たちを観ているといろんなタイプがいます。最初からコツコツ練習する子もいますが、本番近くになるまで本気にならない子もいます。そんな子供にはつい「練習しなさい」と声をかけたくなりますが、私はギリギリまで我慢します。そんな子供でも本番近くになってくるとお尻に火が付きます(笑)。練習の仕方、集中力が変わってきます。そんな子供の変化がみられると私は「そろそろ来たねー」と思い、楽しくなります。そこで初めて声掛けをしたり、ポイントの指導をします。
練習をまじめにしない子供たちも、発表会では『いいとこ見せたい』とは思ってますが、集中できずにいます。そんな時に「練習しなさい!」と声をかけてもひびきません。また、せっかくやる気になった時に、声をかけてあげないとくさってしまいます(笑)。そこが難しいところなので、いつも子供たちをよく観察しています。
やる気が出た時は子供たちの成長のチャンスです。そこで課題をクリアできると、達成感と自信を得ることができます。成功体験から生まれる達成感や自信は、これからの彼女たちにとって、新体操がうまくなることよりも大事なことだと思っています。
このブログでは、みなさんの新体操が上手くなるために役立つ内容や、私が新体操に関して感じているあれこれをまじめにすなおに発信していきたいなと思っています。みなさんの新体操の上達に役立てれば嬉しいです。
次回は、「第3回 『私の新体操教室の指導』(小学校高学年編)」の予定です。
追伸
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さなえ より
さらに追伸
手具の基本操作を組み込んだおどりの動画を公開しています。
もしよければご覧ください。