トムラウシ〜旭岳大縦走(2)
(2012.8.18~8.22)
三日目。
朝3時半、目覚ましが鳴るも、外は強風。
テントが時折あおられ飛ばされるんじゃないかと思うほど・・・
「あかん、まだ出られへんなぁ~・・・もうちょっと寝よか・・・」![ぐぅぐぅ](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/030.gif)
4時半、まだ風も強く、あたりは真っ白・・・視界不良。
早朝に往復50分のトムラウシ山頂にアタックする予定だったけど、
私は強風の中、無理して登るのはちょっと・・・引き続き体力温存のためパス。
旦那はもぞもぞ起きて、「やっぱり昨日のうちに登っておくべきだった・・・」と
ブツブツ愚痴を言いながら準備を始める。
予報では、曇り時々雨・・・くらいだったのに、やっぱり山の天気は難しい。
トムラウシ山 標高2141m。
南沼のテント場から往復50分。旦那だけ登頂。
私はその間、戻ってきたら出発できるよう、エアマットやシュラフ等お片付け。
5時50分。片付けが終わろうというところに旦那が帰還。
しかし、雨がポツポツ・・・降り出した![ショック!](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/143.gif)
テントも片付けようと思っていたけどやめて、またテントの中へ。
「う~~~ん、どうしよっか・・・」 地図を広げて緊急会議。
予定では今日気合いを入れて約20km白雲岳まで行くつもりだったけど、
すでに出発が遅れているし、この天候じゃ到底無理![汗](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/028.gif)
とりあえず、忠別岳の避難小屋まで頑張って行こう!・・・
最終日キツい行程になるけど仕方ない、それしか道はない!と、決断。
それでも約11km。決してラクではないけど、それほど急ぐこともないので、
もう少し雨の様子をみて待機。一時かなり激しく暴風雨になり、
まさにテントの中にも暗雲が立ちこめる。
7時45分頃。ようやく小雨に。
風もすこしマシになったので、「よし!今だっ!」と外へ飛び出し、
テントを片付ける。 8時出発。
南沼から北沼までトムラウシ山の巻き道を30分・・・岩礫地帯がつづく。
さらにその先にはもっと岩だらけのロックガーデンが・・・
視界が悪くて、迷いそう。
目をこらしてペンキの印や蛍光のリボンを探しながら慎重に進む・・・
9時25分頃ロックガーデン付近を通り、10時35分にこの小さな沼を通過。
沼も天気がよければきっと綺麗なんだろうなぁ~と思いながら横切る。
途中、「日本庭園」と称される素晴らしい風景も、
残念ながら写真には収められなかった。相変わらず、雨は降ったりやんだり。
11時10分 天沼に到着。
コースタイムでは北沼から天沼まで1時間10分のところ、
途中の休憩もいれて倍以上の2時間40分かかった![汗](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/028.gif)
朝ご飯はテントの中でバナナとパンの残りを食べただけだったので、
少し早めの昼ごはん。 沼の水を煮沸してレトルトのパスタと御飯。
11時50分ふたたび出発。
アイヌの人たちは大雪山をカムイミンタラ=アイヌ語で、神々の遊ぶ庭
と呼んでいて、この先のエリアはまさに「神々の庭」「神遊びの庭」と地図にも
書かれてあるところ。 あぁ・・・天気が良ければ、
さぞ素晴らしい景色が見られたのに・・・残念
化雲岳山頂へは行かず、巻き道で短縮。
13時20分頃、また雨足が強くなってきた!
チョットの間、ハイマツの中に潜るように身を隠す。
う~ん、あんまり隠れてないけど、少しは雨除けに。
レインコートのズボンがビッショリなのが写真でもわかる?
もう撥水機能も限界!腕のあたりも滲みて中のフリースも濡れてきた![ガーン](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/141.gif)
五色岳へと向かう木道。
このあたり一帯、化雲平から五色ヶ原にかけて美しいお花畑で、
ここから見るトムラウシ山は最高のビューポイントらしい。
例えば、こんな感じ(ネットから写真を拝借)![カメラ](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/111.gif)
おそらくもう少し先から振り返ってトムラウシを見た景色。
めちゃくちゃ絶景や~~~っ 見たかったぁ~~~(泣)
木道を過ぎると、今度はハイマツの群生地。
ナナカマドやミヤマハンノキなどのブッシュ・・・
地図には枝払い整備していると書いてるけど、こんな状態。
まるで洗車機の中を通るみたいに、右も左も全身で枝をかきわけ進む。
<早朝は朝霧に濡れるので好天でも雨衣着用>との注意書きもある。
14時25分 五色岳(1868m)到着。 雨は止んだけど展望ゼロ。
さぁ、避難小屋まであと1時間半・・・がんばって歩かなければ!
実はさっき木道のところでも、クマの足跡があったんだけど、
今度は道の真ん中に、大きな落とし物が・・・
ふ~ん、・・・と無視は出来ないっ![あせる](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/029.gif)
えっ・・・これもなんかまだ新しい感じ・・・やめてよね~、出てこないでね~、
熊除けの鈴も雨音にかき消されるんじゃないかと心配になり、
必要以上に手で鳴らしながら歩く。![ベル](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/182.gif)
ようやく、忠別岳避難小屋が見えて来た!・・・けど、雪渓が・・・
うぅ~~~これ渡らなきゃ今夜の寝床には辿り着けないのね・・・![しょぼん](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/144.gif)
それほど堅くはないけど、場所によっては油断するとツルンと滑りそうになる。
へっぴり腰で一歩一歩確かめながら慎重に渡る。
扉を開けると、先にひとり白雲岳の方からきた若者がテントを乾かしていた。
彼は2階に陣取り、私たちは1階に寝床をつくることに。
すると、すぐまた扉が開いて、同じく白雲岳の方から来たという
同世代くらいの夫婦がやってきた。
嫁「もう~~~だからやめとこうって言ったのに・・・」
夫「いやぁ~~~ちょっと甘かったなぁ・・・」
嫁「ちょっと、どこで絞ってんの!(怒)」
夫「え?・・・あ・・・」 と、怒られて濡れたものを外へ絞りにいく旦那。
会話を聞いていると、かかあ天下のなかなか面白いカップル。
どうやら関西の人っぽかったけど、あんまり話しかけると
私たちも怒られそうで遠慮した・・・(笑)
私たちは初めての避難小屋泊。
とりあえず、乾きそうにないけど濡れた衣類やタオルを干す。
私はザックの中に入れていた予備のインナーダウンが濡れてしまいショック。
着替えてシュラフ(寝袋)にくるまり温まった。
ふう~~~。 予想以上の雨に降られて、ひどい目にあった。
まぁ無事に避難小屋にたどり着けたから良かったけど、
旅の行程に余裕があるなら雨の時は行動しないのが一番。
まだ記憶に新しい2009年7月に起きたトムラウシ山遭難事故。
私たちは同じルートの逆コース。同じく悪天候。
これがもし7月だったら・・・ 考えると他人事ではない。
レインコートも機能オーバーで中まで濡れてしまったし、
きっと寒くて私も低体温症になっていたかも・・・。
しかも、雨の中、岩場もたくさんあるこのハードな道程、
彼らは登山三日目の疲れた体には相当キツかったはず。
辛かっただろうなぁ~・・・無念だっただろうなぁ~・・・
と、実際に歩いてみて、初めてその痛みがわかった。
私たちも反省点がいっぱい。
今回あたらめて、地図上では読み取れない山の険しさを思い知らされ、
歩いてみて初めてわかる地形の複雑さ、
天候によってかなり左右される歩行タイム、
パッキング方法、もっと荷物選びを徹底すること・・・などなど、
本当に、いろいろと勉強になった。
幸い、天気は良くなりそう・・・
最終日もかなり無茶な行程ではあるけれど、
しっかり朝早起きして何が何でもゴールに辿り着かなければ・・・
気をひきしめて眠りについた。
つづく。
三日目。
朝3時半、目覚ましが鳴るも、外は強風。
テントが時折あおられ飛ばされるんじゃないかと思うほど・・・
「あかん、まだ出られへんなぁ~・・・もうちょっと寝よか・・・」
![ぐぅぐぅ](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/030.gif)
4時半、まだ風も強く、あたりは真っ白・・・視界不良。
早朝に往復50分のトムラウシ山頂にアタックする予定だったけど、
私は強風の中、無理して登るのはちょっと・・・引き続き体力温存のためパス。
旦那はもぞもぞ起きて、「やっぱり昨日のうちに登っておくべきだった・・・」と
ブツブツ愚痴を言いながら準備を始める。
予報では、曇り時々雨・・・くらいだったのに、やっぱり山の天気は難しい。
![田中さなえオフィシャルブログ「いそがず休まず」Powered by Ameba](https://stat.ameba.jp/user_images/20120902/00/sanamount/4a/dc/j/o0380025312167404179.jpg?caw=800)
トムラウシ山 標高2141m。
南沼のテント場から往復50分。旦那だけ登頂。
私はその間、戻ってきたら出発できるよう、エアマットやシュラフ等お片付け。
5時50分。片付けが終わろうというところに旦那が帰還。
しかし、雨がポツポツ・・・降り出した
![ショック!](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/143.gif)
テントも片付けようと思っていたけどやめて、またテントの中へ。
「う~~~ん、どうしよっか・・・」 地図を広げて緊急会議。
予定では今日気合いを入れて約20km白雲岳まで行くつもりだったけど、
すでに出発が遅れているし、この天候じゃ到底無理
![汗](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/028.gif)
とりあえず、忠別岳の避難小屋まで頑張って行こう!・・・
最終日キツい行程になるけど仕方ない、それしか道はない!と、決断。
それでも約11km。決してラクではないけど、それほど急ぐこともないので、
もう少し雨の様子をみて待機。一時かなり激しく暴風雨になり、
まさにテントの中にも暗雲が立ちこめる。
7時45分頃。ようやく小雨に。
風もすこしマシになったので、「よし!今だっ!」と外へ飛び出し、
テントを片付ける。 8時出発。
南沼から北沼までトムラウシ山の巻き道を30分・・・岩礫地帯がつづく。
さらにその先にはもっと岩だらけのロックガーデンが・・・
視界が悪くて、迷いそう。
目をこらしてペンキの印や蛍光のリボンを探しながら慎重に進む・・・
![田中さなえオフィシャルブログ「いそがず休まず」Powered by Ameba](https://stat.ameba.jp/user_images/20120902/00/sanamount/a5/18/j/o0380048512167404183.jpg?caw=800)
9時25分頃ロックガーデン付近を通り、10時35分にこの小さな沼を通過。
沼も天気がよければきっと綺麗なんだろうなぁ~と思いながら横切る。
途中、「日本庭園」と称される素晴らしい風景も、
残念ながら写真には収められなかった。相変わらず、雨は降ったりやんだり。
11時10分 天沼に到着。
コースタイムでは北沼から天沼まで1時間10分のところ、
途中の休憩もいれて倍以上の2時間40分かかった
![汗](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/028.gif)
![田中さなえオフィシャルブログ「いそがず休まず」Powered by Ameba](https://stat.ameba.jp/user_images/20120902/00/sanamount/4f/59/j/o0380051612167404182.jpg?caw=800)
朝ご飯はテントの中でバナナとパンの残りを食べただけだったので、
少し早めの昼ごはん。 沼の水を煮沸してレトルトのパスタと御飯。
11時50分ふたたび出発。
アイヌの人たちは大雪山をカムイミンタラ=アイヌ語で、神々の遊ぶ庭
と呼んでいて、この先のエリアはまさに「神々の庭」「神遊びの庭」と地図にも
書かれてあるところ。 あぁ・・・天気が良ければ、
さぞ素晴らしい景色が見られたのに・・・残念
![しょぼん](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/144.gif)
化雲岳山頂へは行かず、巻き道で短縮。
13時20分頃、また雨足が強くなってきた!
チョットの間、ハイマツの中に潜るように身を隠す。
う~ん、あんまり隠れてないけど、少しは雨除けに。
レインコートのズボンがビッショリなのが写真でもわかる?
もう撥水機能も限界!腕のあたりも滲みて中のフリースも濡れてきた
![ガーン](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/141.gif)
![田中さなえオフィシャルブログ「いそがず休まず」Powered by Ameba](https://stat.ameba.jp/user_images/20120902/00/sanamount/da/37/j/o0380052912167404180.jpg?caw=800)
五色岳へと向かう木道。
このあたり一帯、化雲平から五色ヶ原にかけて美しいお花畑で、
ここから見るトムラウシ山は最高のビューポイントらしい。
例えば、こんな感じ(ネットから写真を拝借)
![カメラ](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/111.gif)
おそらくもう少し先から振り返ってトムラウシを見た景色。
めちゃくちゃ絶景や~~~っ 見たかったぁ~~~(泣)
![田中さなえオフィシャルブログ「いそがず休まず」Powered by Ameba](https://stat.ameba.jp/user_images/20120902/02/sanamount/14/7e/j/o0380025512167536595.jpg?caw=800)
木道を過ぎると、今度はハイマツの群生地。
ナナカマドやミヤマハンノキなどのブッシュ・・・
地図には枝払い整備していると書いてるけど、こんな状態。
まるで洗車機の中を通るみたいに、右も左も全身で枝をかきわけ進む。
<早朝は朝霧に濡れるので好天でも雨衣着用>との注意書きもある。
![田中さなえオフィシャルブログ「いそがず休まず」Powered by Ameba](https://stat.ameba.jp/user_images/20120902/00/sanamount/98/14/j/o0380068012167404181.jpg?caw=800)
14時25分 五色岳(1868m)到着。 雨は止んだけど展望ゼロ。
さぁ、避難小屋まであと1時間半・・・がんばって歩かなければ!
実はさっき木道のところでも、クマの足跡があったんだけど、
今度は道の真ん中に、大きな落とし物が・・・
ふ~ん、・・・と無視は出来ないっ
![あせる](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/029.gif)
えっ・・・これもなんかまだ新しい感じ・・・やめてよね~、出てこないでね~、
熊除けの鈴も雨音にかき消されるんじゃないかと心配になり、
必要以上に手で鳴らしながら歩く。
![ベル](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/182.gif)
![田中さなえオフィシャルブログ「いそがず休まず」Powered by Ameba](https://stat.ameba.jp/user_images/20120902/02/sanamount/96/f6/j/o0380065012167536596.jpg?caw=800)
ようやく、忠別岳避難小屋が見えて来た!・・・けど、雪渓が・・・
うぅ~~~これ渡らなきゃ今夜の寝床には辿り着けないのね・・・
![しょぼん](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/144.gif)
それほど堅くはないけど、場所によっては油断するとツルンと滑りそうになる。
へっぴり腰で一歩一歩確かめながら慎重に渡る。
扉を開けると、先にひとり白雲岳の方からきた若者がテントを乾かしていた。
彼は2階に陣取り、私たちは1階に寝床をつくることに。
すると、すぐまた扉が開いて、同じく白雲岳の方から来たという
同世代くらいの夫婦がやってきた。
嫁「もう~~~だからやめとこうって言ったのに・・・」
夫「いやぁ~~~ちょっと甘かったなぁ・・・」
嫁「ちょっと、どこで絞ってんの!(怒)」
夫「え?・・・あ・・・」 と、怒られて濡れたものを外へ絞りにいく旦那。
会話を聞いていると、かかあ天下のなかなか面白いカップル。
どうやら関西の人っぽかったけど、あんまり話しかけると
私たちも怒られそうで遠慮した・・・(笑)
私たちは初めての避難小屋泊。
とりあえず、乾きそうにないけど濡れた衣類やタオルを干す。
私はザックの中に入れていた予備のインナーダウンが濡れてしまいショック。
着替えてシュラフ(寝袋)にくるまり温まった。
![田中さなえオフィシャルブログ「いそがず休まず」Powered by Ameba](https://stat.ameba.jp/user_images/20120902/02/sanamount/4f/1a/j/o0380045012167536597.jpg?caw=800)
ふう~~~。 予想以上の雨に降られて、ひどい目にあった。
まぁ無事に避難小屋にたどり着けたから良かったけど、
旅の行程に余裕があるなら雨の時は行動しないのが一番。
まだ記憶に新しい2009年7月に起きたトムラウシ山遭難事故。
私たちは同じルートの逆コース。同じく悪天候。
これがもし7月だったら・・・ 考えると他人事ではない。
レインコートも機能オーバーで中まで濡れてしまったし、
きっと寒くて私も低体温症になっていたかも・・・。
しかも、雨の中、岩場もたくさんあるこのハードな道程、
彼らは登山三日目の疲れた体には相当キツかったはず。
辛かっただろうなぁ~・・・無念だっただろうなぁ~・・・
と、実際に歩いてみて、初めてその痛みがわかった。
私たちも反省点がいっぱい。
今回あたらめて、地図上では読み取れない山の険しさを思い知らされ、
歩いてみて初めてわかる地形の複雑さ、
天候によってかなり左右される歩行タイム、
パッキング方法、もっと荷物選びを徹底すること・・・などなど、
本当に、いろいろと勉強になった。
幸い、天気は良くなりそう・・・
最終日もかなり無茶な行程ではあるけれど、
しっかり朝早起きして何が何でもゴールに辿り着かなければ・・・
気をひきしめて眠りについた。
つづく。