トムラウシ〜旭岳大縦走(1)
「 富士山に登って 山岳の高さを語れ。
大雪山に登って 山岳の 大 ( おおい)さを語れ。」
1923 年(大正12年)に大雪山を踏破し、桂月岳の名でも知られる
文人の大町桂月が残した有名な言葉・・・。
富士山は3度登ったし(登頂は2度)、
山を語るには、大雪山にも登らなければ
そう・・・あれは17年前。
「おはよう朝日です」のロケで大雪山の主峰・旭岳に行きたい!と
自らリクエストして登った初めての2000mを超える山。
雲海と煌めく湖、360度見渡せる大地と山々にとても感動した。
ただ、その時は、旭岳のみだったので、
桂月さんのいう大雪山の「大きさ」とやらは、まだ体験していない。
いつか、またいつか絶対登ろう・・・と思っていた。
そこで浮上した夏休み計画!
「大雪山 トムラウシ~旭岳大縦走」
(2012.8.18~8.22)
本当に行けるのかなぁ・・・
総距離約45km、一日の平均歩行時間は10時間あまり。まさに体力勝負。
出発5日前に急性胃腸炎になり、なんとか体調を戻したものの
不安が頭をかすめる。こうなったら気合いだ!自分がこれまで
あらゆる山で発揮してきた自慢の体力と根性を信じるしかない
一日目。 朝イチ、神戸空港から新千歳空港へ飛び、
JRに乗り換えて南千歳から「スーパーとかち3号」で新得まで1時間半。
午後12:30頃、新得駅に到着。
「新得そば」が有名らしく、駅前の蕎麦屋さんで昼食をとり、
地元のスーパーで夜のおかずと、明日の朝ごはん、行動食などを買い出し。
そして、夏の間1日2便運行しているトムラウシ温泉行きのバスに乗車。
お客は私たち二人のみ(笑) 「自由に使って~」と、気のいいドライバーさん。
いろいろ話を聞きながら、途中、鹿2頭、キタキツネは7匹も見れた!
ガタガタ道もあり、お尻が浮く道も!なかなかアドベンチャーなバスだ!
1時間半ゆられてトムラウシ温泉に到着。
バスを降りたところ、国民宿舎からテント場までちょっと遠いことが判明し、
先にテントを設営するか、お風呂に入るか少しもめる。(笑)
確かにテント設営にも一汗かくだろうし、御飯を食べてから風呂に・・・
普通なら私もそうしたいけれど、病み上がりだし少しでも体力を温存したい!
片道20分の距離を何度も往復するのは勘弁してぇ・・・とお願いし、
先に国民宿舎でひとっ風呂浴びることに。
露天風呂気持ちよかったぁ~
夕方、涼しくなってテント設営にも汗をかくこともなく・・・
トイレも新しくて綺麗だし、テーブルもあるし、立派な野営場でとても快適。
二日目。
朝、4時半起床。 目覚めのコーヒー& 私は胃に優しい?コーンスープで。
今回、私は山ヤカンを!旦那はコーヒーフィルター!を新たに購入し持参
うふふ。このあともヤカンが大活躍!かわいくて頼りになる奴です。
さぁ、いざ出発! テントの片付けやらなんだかんだ予定外に時間がかかり、
結局6時半、ちょっと遅いスタート。ぼちぼち行きましょ。
トムラウシ温泉登山口から短縮コース登山口の分岐まで 3、3 km。
かなり足下は悪く、荒れた道。しかも標高650mから1000mまで急坂。
小刻みにアップダウンを繰り返し、900m付近からなかなか抜け出せない。
荷物も重くスローペース。地図の表示タイム通り、きっちり2時間かかった。
10分休憩。
さらに、標高1270mのカムイ天上まで1時間10分。
ハードだけど、なんだか山に入るとやたら調子がよくなってきた。
自分でも半信半疑ながら・・・けっこうイケるかも
9:50 カムイ天上。
ぬかるみに足を取られないよう必死で歩いていたら、
旦那が脇道にクマの足跡を発見!ゲゲッ!!!
この足跡、まだ新しいんちゃうん?? 近くにいるかも!?
だいじょうぶ・・・。だいじょうぶ・・・。と心の中で唱えながら、
早く進みたいけど、グジョグジョ、ドロドロの道に悪戦苦闘。
大幅にタイムオーバー。
視界も開けて道も少しマシになってきたけど、
次のポイントまで遠いなぁ~・・・
ササの道から大きな石がゴロゴロした階段状の道に変化し、沢へ下りていく。
その途中すれ違った日帰り登山のいかにも慣れた感じの熟年登山者が、
「さっき沢に小熊がいたよ、近くに母熊もいるかもしれない。
もし遭遇したら勇気ある撤退を!」と忠告してくれた。 そ、そんなぁ~
ドキドキしながら沢へ向かう。
12:20 コマドリ沢分岐。
よかったぁ~~~人がいっぱいいて(笑)熊はいないっ!登山者の憩いの場。
でも、油断は出来ないので、さっそくお昼御飯の準備。
水はめちゃくちゃ冷たくて、思わず顔をバシャバシャ洗う。
下の方で、靴の泥も洗い流してスッキリ!
この先のテント場では水が確保できるか分らないので、このキレイな沢の水を
余分に汲んでおこう。荷物が重くなるのは辛いけど・・・
御飯を食べて生き返る。のんびりしていると、皆つぎつぎ出発して人がいなく
なった。ヤバイ!と思ったけど、またすぐ上から人が下りてきてホッ。
でも、先を急がなければ・・・
13:20 コマドリ沢出発。
ここからグンっと景色が変わってくる!でもキツイ岩礫地帯が待っている!
でもナキウサギの生息地で可愛い姿に会えるかも!
まさに飴とムチ~~~っ(笑)
ナキウサギの鳴声に時折癒されながら、
14:47 ようやく前トム平に到着。
でもまだあと2時間あるので、通過して、先を急ぐ。
トムラウシ山の東斜面には少し雪渓が残っている。
そして、雲上のお花畑が広がります!
15:40 トムラウシ公園。しばし、可愛いお花達に癒される。
が、しかし! またこのあと、すんごい岩場が現われる
必死なので写真撮影不可。恐るべしトムラウシ!これほど厳しい山だとは・・・
ちょっと甘くみていた。約1時間程どうにかこうにか岩場をくぐり抜け、
歩きやすい道に戻ったところで・・・
目の前にエゾシマリスが出現!
草花の先に手をかけて背伸びしてモグモグ勢い良く食べている!
でも動きがすばしっこくて写真になかなか収められない!
私は必死にレンズで追っても、しっぽだけ!とか、後ろ姿!とか・・・
ようやく旦那が捉えた一枚 頬がパンパン(笑) くいしんぼうやなぁ~
17:10 南沼キャンプ指定地。
なんとか日が暮れる前に到着した・・・
はぁ~~~遠かったぁ~~~、キツかったぁ~~~、疲れたぁ~~~。
まずは、寝床を作らなければ・・・。テント泊はこれが辛い!
旅館ならすぐ畳にゴロ~ンと出来るけど、そういう訳にはいかない(泣)
学生達のテントが2張り、その奥に1張り・・・私たちいれて4組くらいか・・・
やはり大雪山のピークは7月から8月上旬のようですね。
トムラウシの頂を眺めながら、ビールで乾杯!
缶のまま飲みたくないというこだわりで、
無印で見つけたプラスティックの半透明のミニグラス! いいねっ
まだ初日。とにかく少しでも体力回復しなければ・・・
食事を終えると、すぐにテントにもぐり込む。
夜になると雲に覆われ、あたり一面真っ白に。
星も見えないので、もう寝るしかない!8時就寝。
旦那さんは前々日睡眠2時間だったし、
重い荷物でかなり体力も消耗。5秒で眠りに落ちた。
いいなぁ~~~すぐに寝れて・・・しかも熟睡。
私は夜中じゅう風がゴーゴー鳴っていて、あまり眠れなかった
心身共に緊張と疲労、同時に興奮状態でもあったし・・・
さぁ、少しでも寝て明日も気合い入れて頑張らなければ
まだこの時は、更なる難関が待っているとは知らず・・・
おやすみ。つづく。
大雪山に登って 山岳の 大 ( おおい)さを語れ。」
1923 年(大正12年)に大雪山を踏破し、桂月岳の名でも知られる
文人の大町桂月が残した有名な言葉・・・。
富士山は3度登ったし(登頂は2度)、
山を語るには、大雪山にも登らなければ
そう・・・あれは17年前。
「おはよう朝日です」のロケで大雪山の主峰・旭岳に行きたい!と
自らリクエストして登った初めての2000mを超える山。
雲海と煌めく湖、360度見渡せる大地と山々にとても感動した。
ただ、その時は、旭岳のみだったので、
桂月さんのいう大雪山の「大きさ」とやらは、まだ体験していない。
いつか、またいつか絶対登ろう・・・と思っていた。
そこで浮上した夏休み計画!
「大雪山 トムラウシ~旭岳大縦走」
(2012.8.18~8.22)
本当に行けるのかなぁ・・・
総距離約45km、一日の平均歩行時間は10時間あまり。まさに体力勝負。
出発5日前に急性胃腸炎になり、なんとか体調を戻したものの
不安が頭をかすめる。こうなったら気合いだ!自分がこれまで
あらゆる山で発揮してきた自慢の体力と根性を信じるしかない
一日目。 朝イチ、神戸空港から新千歳空港へ飛び、
JRに乗り換えて南千歳から「スーパーとかち3号」で新得まで1時間半。
午後12:30頃、新得駅に到着。
「新得そば」が有名らしく、駅前の蕎麦屋さんで昼食をとり、
地元のスーパーで夜のおかずと、明日の朝ごはん、行動食などを買い出し。
そして、夏の間1日2便運行しているトムラウシ温泉行きのバスに乗車。
お客は私たち二人のみ(笑) 「自由に使って~」と、気のいいドライバーさん。
いろいろ話を聞きながら、途中、鹿2頭、キタキツネは7匹も見れた!
ガタガタ道もあり、お尻が浮く道も!なかなかアドベンチャーなバスだ!
1時間半ゆられてトムラウシ温泉に到着。
バスを降りたところ、国民宿舎からテント場までちょっと遠いことが判明し、
先にテントを設営するか、お風呂に入るか少しもめる。(笑)
確かにテント設営にも一汗かくだろうし、御飯を食べてから風呂に・・・
普通なら私もそうしたいけれど、病み上がりだし少しでも体力を温存したい!
片道20分の距離を何度も往復するのは勘弁してぇ・・・とお願いし、
先に国民宿舎でひとっ風呂浴びることに。
露天風呂気持ちよかったぁ~
夕方、涼しくなってテント設営にも汗をかくこともなく・・・
トイレも新しくて綺麗だし、テーブルもあるし、立派な野営場でとても快適。
二日目。
朝、4時半起床。 目覚めのコーヒー& 私は胃に優しい?コーンスープで。
今回、私は山ヤカンを!旦那はコーヒーフィルター!を新たに購入し持参
うふふ。このあともヤカンが大活躍!かわいくて頼りになる奴です。
さぁ、いざ出発! テントの片付けやらなんだかんだ予定外に時間がかかり、
結局6時半、ちょっと遅いスタート。ぼちぼち行きましょ。
トムラウシ温泉登山口から短縮コース登山口の分岐まで 3、3 km。
かなり足下は悪く、荒れた道。しかも標高650mから1000mまで急坂。
小刻みにアップダウンを繰り返し、900m付近からなかなか抜け出せない。
荷物も重くスローペース。地図の表示タイム通り、きっちり2時間かかった。
10分休憩。
さらに、標高1270mのカムイ天上まで1時間10分。
ハードだけど、なんだか山に入るとやたら調子がよくなってきた。
自分でも半信半疑ながら・・・けっこうイケるかも
9:50 カムイ天上。
ぬかるみに足を取られないよう必死で歩いていたら、
旦那が脇道にクマの足跡を発見!ゲゲッ!!!
この足跡、まだ新しいんちゃうん?? 近くにいるかも!?
だいじょうぶ・・・。だいじょうぶ・・・。と心の中で唱えながら、
早く進みたいけど、グジョグジョ、ドロドロの道に悪戦苦闘。
大幅にタイムオーバー。
視界も開けて道も少しマシになってきたけど、
次のポイントまで遠いなぁ~・・・
ササの道から大きな石がゴロゴロした階段状の道に変化し、沢へ下りていく。
その途中すれ違った日帰り登山のいかにも慣れた感じの熟年登山者が、
「さっき沢に小熊がいたよ、近くに母熊もいるかもしれない。
もし遭遇したら勇気ある撤退を!」と忠告してくれた。 そ、そんなぁ~
ドキドキしながら沢へ向かう。
12:20 コマドリ沢分岐。
よかったぁ~~~人がいっぱいいて(笑)熊はいないっ!登山者の憩いの場。
でも、油断は出来ないので、さっそくお昼御飯の準備。
水はめちゃくちゃ冷たくて、思わず顔をバシャバシャ洗う。
下の方で、靴の泥も洗い流してスッキリ!
この先のテント場では水が確保できるか分らないので、このキレイな沢の水を
余分に汲んでおこう。荷物が重くなるのは辛いけど・・・
御飯を食べて生き返る。のんびりしていると、皆つぎつぎ出発して人がいなく
なった。ヤバイ!と思ったけど、またすぐ上から人が下りてきてホッ。
でも、先を急がなければ・・・
13:20 コマドリ沢出発。
ここからグンっと景色が変わってくる!でもキツイ岩礫地帯が待っている!
でもナキウサギの生息地で可愛い姿に会えるかも!
まさに飴とムチ~~~っ(笑)
ナキウサギの鳴声に時折癒されながら、
14:47 ようやく前トム平に到着。
でもまだあと2時間あるので、通過して、先を急ぐ。
トムラウシ山の東斜面には少し雪渓が残っている。
そして、雲上のお花畑が広がります!
15:40 トムラウシ公園。しばし、可愛いお花達に癒される。
が、しかし! またこのあと、すんごい岩場が現われる
必死なので写真撮影不可。恐るべしトムラウシ!これほど厳しい山だとは・・・
ちょっと甘くみていた。約1時間程どうにかこうにか岩場をくぐり抜け、
歩きやすい道に戻ったところで・・・
目の前にエゾシマリスが出現!
草花の先に手をかけて背伸びしてモグモグ勢い良く食べている!
でも動きがすばしっこくて写真になかなか収められない!
私は必死にレンズで追っても、しっぽだけ!とか、後ろ姿!とか・・・
ようやく旦那が捉えた一枚 頬がパンパン(笑) くいしんぼうやなぁ~
17:10 南沼キャンプ指定地。
なんとか日が暮れる前に到着した・・・
はぁ~~~遠かったぁ~~~、キツかったぁ~~~、疲れたぁ~~~。
まずは、寝床を作らなければ・・・。テント泊はこれが辛い!
旅館ならすぐ畳にゴロ~ンと出来るけど、そういう訳にはいかない(泣)
学生達のテントが2張り、その奥に1張り・・・私たちいれて4組くらいか・・・
やはり大雪山のピークは7月から8月上旬のようですね。
トムラウシの頂を眺めながら、ビールで乾杯!
缶のまま飲みたくないというこだわりで、
無印で見つけたプラスティックの半透明のミニグラス! いいねっ
まだ初日。とにかく少しでも体力回復しなければ・・・
食事を終えると、すぐにテントにもぐり込む。
夜になると雲に覆われ、あたり一面真っ白に。
星も見えないので、もう寝るしかない!8時就寝。
旦那さんは前々日睡眠2時間だったし、
重い荷物でかなり体力も消耗。5秒で眠りに落ちた。
いいなぁ~~~すぐに寝れて・・・しかも熟睡。
私は夜中じゅう風がゴーゴー鳴っていて、あまり眠れなかった
心身共に緊張と疲労、同時に興奮状態でもあったし・・・
さぁ、少しでも寝て明日も気合い入れて頑張らなければ
まだこの時は、更なる難関が待っているとは知らず・・・
おやすみ。つづく。