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スタートからすごく時間が経ってしまっていますが、
今日も、ちゅうつねカレッジを覗いてみて、
お金や成功について、ババババーッと浮かんできたことのつづきを書いていきます。

※初めての方は、このシリーズの最初からどうぞ!

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アイちゃんとはじめた

「あなたのお話を、どんな話でも、何時間でも聞きます」

という商売で、もう一つ印象に残っているのは、

世間的に立派な職業についていて、金も地位もある、

50歳くらいの男性とのことです。


このときはカフェではなく、

3人で渋谷の高級とんかつ専門店で話をしました。




その人は私たちに傾聴なんてしてもらう気は全然なく、

食事をしながらの、ちょっとした挨拶と雑談のあと、

「5万払うから、君たち二人で僕の相手をしてくれない?」

と言いました。


三人でしたい、ということのようです。


私たちは心の中で

「するわけねーだろ、ボケ!」

と思っていましたが、

とりあえず相手の考えを全部聞き出そうと、

「えー、どうしようー」

というノリで、否定感を出さず、曖昧な感じでニコニコと話を聞いていました。


食事を終えると彼は

「5万が手元にないから、下ろしてくるね。

ちゃんと待っててね」

とATMに走って行きました。


その間に、二人で早口で


「やるわけねーだろ。笑」

「んな話あるわけねーだろ。笑」

「でも5万はほしいね」

「ほしいね、やらずに5万だけほしいね」

「ホテルに行って金だけもらって逃げるか」

「できるかね?」

「どーすっかね」



などと大急ぎで打ち合わせをしていたら、彼が戻ってきました。


店を出て、彼はすっかり

「じゃあ、今からホテルに行くか」

というモードで、

私たちは彼の後ろを歩きながら、

小声でコソコソと打ち合わせをしていました。


「どーする? ホテルまで行っちゃう?」

「逃げられるかな? どうやって逃げようか?」

「お金だけ持って逃げたとして、

追いかけられたり、万が一警察につかまったりしたらどうする?」



などと話していたら、アイちゃんが


「すごくいい方法を思いついた」


と言いました。


「逃げているときに、

もらったお金を封筒に入れて、ポストに投函しちゃえばいいんだよ。

自宅の住所を書いて切手を貼った封筒を用意しておいて、

それにお金を入れて投函しちゃえば、

いくら調べられてもお金は手元にないし、

あとから家で受け取れるよ」






これを聞いて、やっぱりアイちゃんは天才だと思いました。


「でも、今は封筒も切手も用意できないよ。どーしよう?」


小声でそんな話をしていたら、

男性もいろいろ考えていたようで、振り返って


「あのさ、やっぱり二人別々にできる?」


と言いました。


「最初は、君」


と私を指し、


「次が君ね」


とアイちゃんを指しました。


しかし彼は、


「いや、ちょっと待てよ・・・」


と考え、


「やっぱり最初は君。次が君ね」


と、私とアイちゃんの順番を逆にしました。


私は彼のちょっとした目の動きや話し方などを見て、


「ははーん。

彼はアイちゃんを気に入っていて、

本当はアイちゃんとだけやれればいいんだけど、

私を傷つけないために、

平等に私ともやらなきゃいけないとか、

あるいは私をあとにすることで、

『疲れたからできない』とかいって

私のことは断ろうと思っているんだな」



と察しました。


彼は私に

「最初は彼女と部屋に入るから、

1時間後に部屋に入ってきて」


などと段取りを指示しました。


私たちは彼の後ろをついて歩きながら、


「一人ずつになったら、お金をもらって逃げられないよ。

こうなったらホテルになんて行っちゃダメだよね。

どーする? どーやって断ろうか」



と話していました。


このお客さんからは最初に名刺をもらっていたのですが、

普通のちょろいお客さんたちと違って

なんというか社会的地位もあって立派な人で、

彼が手綱を握っていて、

彼のペースでことがどんどん進んでしまっていたのでした。


今なら図太いオバチャン二人なので堂々と断れると思いますが、

まだ小娘だった私たちにとっては、

彼は、手綱を握って簡単に手玉にとれる対象ではなかったのです。


そこで、私とアイちゃんは

「相手の方から逃げ出すように仕向けよう」

という方針を立てました。


具体的には、相手の社会的地位を利用し、

「私たちのバックには怖い人たちがいる」

という演技をすることにしました。


男性が

「じゃあ、こっちでいいかな?」

と私たちに聞くために立ち止まったときに、

アイちゃんが、かかってきた電話で話しているふりをはじめました。


彼が目の前に立っている私に

「じゃあ、このへんでどこかに入ろうか」

と話しかけてきたので、

私がアイちゃんを見やりながら

「あ、彼女、だれかから電話がきたみたい」

と言うと、彼も電話で立ち話(の演技)をしているアイちゃんを見ました。


アイちゃんは真剣な表情で

「はい、今渋谷です」

「はい、はい」

「お金はまだもらっていません」


と話していましたが、突然

「すいません、すいません・・・!」

と、必死に謝りはじめました。


それから送話口を手でふさぎながら、

私に

「やばいよ、すごい怒ってるよ」

と言いました。

私も不安そうに顔を曇らせながら

「え・・・!?どうしよう」

と言いました。


アイちゃんは電話口に戻って

「すみません、ちゃんとやりますから。すみません・・・!」

と再びペコペコ謝りはじめました。


アイちゃんが電話している(ふりをしている)のを見て、

男性は慌てて

「え? なに? 君たち、バックがいるの?」

と聞いてきました。


私は顔をしかめながら、

「すごく怖いんですよ。ボコボコにされちゃうんです・・・」

と言いました。


アイちゃんが

「わかりました」

「はい、はい。すみません」


と電話を切り(切ったふりをし)、私と彼のところに戻ってきました。


男性は私たちに

「バックがいるなんて知らなかったから。

なにもしてないからね。

おれは関係ないよ。じゃあね」


と言って、そそくさと去って行きました。


私は

「お見事。うまくいったね」

とアイちゃんに言い、

二人で

「あの人逃げたけど、名刺があるよねー。ふふふ」

と話しました。


しかし、

いつもなら男性のあわてぶりなどを二人で大笑いするところなのに、

二人とも極度の緊張で疲労困憊していて、

ぐったりしながら、低いテンションで

「また電話するねー。じゃーねー」

と言い合い、駅前ですぐに解散しました。


私は生きた心地がせず、

ゾンビのようにフラフラの状態で電車に乗りましたが、

座っていると、頭が氷水を浴びせられたような冷たい感覚になり、

吐き気がして、座っていられなくなりました。


そして、

2分後くらいに停車した次の駅で、這うようにして降りて、

うずくまってホームの壁際の側溝のようなところで吐こうとしましたが、

何も出てきませんでした。




頭がグラグラで、

ホームでペタンとじかに座ってもいられない状態で、

倒れて横になってしまいました。


横になっていると、

降車した人たちが、

遠くに見える改札口への階段をゾロゾロと登って行くのが見えました。


中には倒れている私に気づき、歩きながら見ている人もいましたが、

助ける人も、バッグを盗もうとする人もおらず、

私は1人そのまま目を開けて横たわっていました。


10分くらい横になっていたら、立ち上がれるようになったので、

フラフラしながら帰宅し、泥のように眠りました。


後日、アイちゃんにそのことを言うと、

「それ、脳貧血だね」

と言われました。


アイちゃんも倒れはしないまでも、

かなり疲れきって、滅入って、ヤバイ状態だったと言っていました。


話が長くなりましたが、以上のようなことがありました!

極度の精神的な緊張から倒れたという経験は、人生でこの1回だけです。


あー、アイちゃんとのあれこれ、楽しかったなあ。

お水もやめましたし、こういう感覚って久しく味わっていませんが、

たまにはいいですねえ。


さて、予定外に長くなってしまいましたが、

そろそろアイちゃん編も終わりです。

アイちゃん編でもうちょっと書いたら、

次は、神様からプレゼントされたパソコンで生計を立てていく話になります。