こんにちは!

今日は「対立しない」ということに関するヤングあるの記事をアップいたします。

今回は特に、「愛ってなに」というより、世渡り法みたいになってる気も。

この内容は、学生時代に読んで衝撃を受け、
それ以降の約20年、私の処世術として染みついてしまっている内容です。

「『してほしい』や『べきだ』ではなく、
『損得』の観点で語ると人は話を聞くのだ」

と、ずーーっと前につきあっていた人が言っていましたが、
それで言うなら、今からアップする話も、昨日までの一連の話も、
めちゃくちゃ「利」があり「得する話」だと思います。
私の人生、ありえないくらい、いい方に変わりましたもん。

ではではどうぞ☆

以下は10年前に書いたものです。

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2001.11.7

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逆転の発想による、ポリシーの貫きかた
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今日は、予告いたしました、
「将棋界・米長邦雄の言っていること」をご紹介します。

昔読んだ本ですので、私の解釈も入ってしまっているかもしれませんが
ご了承ください。

米長氏は史上最年長の50歳にして名人位をはじめて獲得した棋士
ということでご存知の人も多いかもしれませんね。

余談ですが、将棋界における名人位とは
「神に選ばれた人間しか手に入れることが出来ない」
と(特に昔は)言われていました。

最近は、そんなプレッシャーどこ吹く風という感じで
コンピューターで棋譜を研究しているような若い棋士が
涼しい顔をしてさらって行ってしまう、
という風潮にだんだんなって来たらしいですが。

中学生の時に将棋道場に通っていた私は(恐ろしく弱いです)、
大学の時に、彼の『運を育てる』(クレスト社)
という本を偶然手にしました。

その中に、当時ショックを受けた部分がありましたので、
ご紹介したいと思います。


●会社内での勢力の対立●

米長氏の出した例は、会社内で意見が割れた場合の話です。

(7年くらい前に読んだので、詳しい説明は忘れてしまいましたが、
考え方の肝の部分は憶えています。)

例えば会社の方針について意見が8対2くらいで割れてしまって、
自分の意見は2の方の少数派だとします。

8という勢力の中は、お偉方の側の勢力です。

そして賛同者の中には明らかに、
付和雷同、長いものに巻かれろ、面倒くさいと考えている輩もいます。

しかし、そちらの勢力は、
どう考えても会社のためにも顧客のためにもよくない。
目先の欲しか考えていない。

そして自分の意見は、
もっと深く遠く見通した意見であり、
根本的に会社のためになるという確信があります。

こういう場合、どうしますか?

「たとえ今は少数派でも、妥協せずに主張し続けることで、
いつかきっと、多数派も分かってくれることがあるかもしれない。

こちらの方が何度検討しても、みんなのために絶対によいのだ。
多数派にも薄々それを気付いている人はいるのに…。

このままでは会社は間違った方向に行ってしまう。

誰がどう言おうとも、自分はこの意見を曲げずに主張し続ける。

こういう人間がいなくなったらお終いなのだ


と考えますか?


私は、当時、まさにこの考えでした。

「正しいことは正しい。日和見主義なんてとんでもない。
真実をいつも追究していたい。ポリシーは貫き通したい」と。

ところが…

米長氏は、

「それではせっかくの素晴らしい主張も通る日は来ませんよ」

と言うのです。


●少数派の運命●

なぜなら、会社のような組織(おそらく特に大企業)の場合
主流派の考えがすべてを決めるからだと。

それがどんなに腐った考えに基づいていても、
偉い人がいる方、また、多数決で人数が多い方の方針だけで
会社は動いて行くというのです。

もちろん少数派の存在というのは抑止力にはなると思いますが、
主流の力にはなり得ないということです。

いくら少数派が頑張って正しいことを
(多数派も実は正しいとわかっていることでも)
主張し続けても、決して会社の方針は変わらないというのです。

だから、こうしろ、と言います。

「不本意でも自分を多数派の中に置け」と。

私はというと、ここで反射的に拒絶感を覚えました。
生理的に受け付けないことを言われたからです。

小学校の時から自分がおかしいと思う先生には
立てついて、反抗をすることで主張を表現してきたし、
(文集でも、みんなが遠足や運動会のことを書いている中、
「S先生へ」というタイトルで、ガンガン糾弾していました(笑))
様々な場面で「それは間違っている」とはっきり言って
孤立することを繰り返してきて、
それがどこか、アイデンティティのように感じていた
からです。

だから余計に、米長氏の言うことが気になって仕方なくなりました。

もしそこに

「人からなんと言われようと、
自分が正しいと思うことを言い続けなさい」

と書いてあったら、きっと素通りしていたでしょう。

よく聞くことだし、あまりに自分にとってしっくり来る言葉だから。

しかし、これから書くことを読んで、
米長氏にしぶしぶ説き伏せられてしまった形になりました。


●地味だけど「効く」やり方とは●

彼は、

「自分を多数派に置いて、内側からじわじわと変えて行け」

と言うのです。

少数派にいては、そもそも重要な議決に参加できないと言うのです。

なるほどねー、と思いました。

確かに、日本の政治を変えたかったら、
政治サークルの会員として会報で主張を続けるよりも、
国会議員になった方が直接的で影響力があるよなあ、などと思いました。

主流に乗れ、主流にいろ、というのは、ずるいようですが、
主流グループの顔をして、少数派魂を虎視眈々と
主流派の中に「溶かし込んでいく」ということ
だと理解しました。

それからは、なるべく日の当たる方に自分を置くようにしています。

すごく以前に、自分のホームページの掲示板で
「私はメジャー志向です」ということを書いたら
読者の方に反感を買ってしまったこともありましたが、
裏にはこの考えがあるからなのです。

米長氏は、「何が目的かをよく考えましょう」と言っています。

「多数派も少数派も、
会社のことを考えての方針であるはずだから、
目的だけを考えれば対立はかなり解消します」

というようなこともあったような…。(私の作りだったらスイマセン)

ところで、この本の中にはこんなすごいエピソードがあります。

米長氏の友人には村山富市元総理がいらっしゃるそうなのですが、
村山氏が総理になる前、米長氏は

「本当に社会党の政策が素晴らしいと思うなら
勇気を持って、与党になりなさい。
万年野党のままでは、社会党の政策を実行できる日は来ませんよ」

と話したそうです。

村山氏はそれで一大決心をして、自民、さきがけと連立し、
ついに社会党が与党になり、村山内閣が発足したのだそうです。

この話が、一番米長邦雄さんの方法を端的に表していますね。

この話にも、私はかなりショックを受けました。
ホテル事件でさらに深い意味を実感することとなったのですが…。

この発想、みなさまはどう思われますか?

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《米長邦雄(よねなが・くにお)》

昭和18年山梨県生まれ。
中央大学経済学部中退。
31年佐瀬勇次に入門。46年八段。54年九段。

史上4人目の千戦棋士。タイトル獲得18回、ほかに優勝16回。
60年永世棋聖。
平成5年、史上最年長の50歳で名人になる。
現在、日本財団評議員議長など各方面で活躍中。

著書に『人間における運の研究』(渡部昇一との共著、致知出版社)、
『運を育てる』(クレスト社)、『人生一手の違い』など多数。


『運を育てる』~著者の言葉

50歳の名人は史上最年長。挑戦7度目にして、まことに涙の栄冠でした。
今回の勝因は、なんといっても、「女神に好かれた」ことに尽きます。

女神の研究をして、50年。
彼女に好かれるノウハウを、あまねく皆様方に公開したのが本著です。
どんなに苦労をしても、どのような苦労を積み重ねても、
この女神に嫌われれば幸せにはなれません。

或るものは天才とうたわれ、ある人は凡才を嘆く。
ビジネスにせよ、恋愛にせよ、幸運と不運、勝ちと負けはつきものです。

負けた側、失敗したほうには必ずその原因があるはずですが、
つきつめてゆきますと、女神のご機嫌をそこねたことに到達してしまうのです。

人間の美人を口説くのと違って、
この女神を口説くのはいとも簡単なことですが、
それには、「素直なこころ」を持ち合わせていなければなりません。

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ということです。

・・・「将棋」と「村山内閣」って、オヤジかよっ!(笑)

☓ 立てつく
◯ 盾突く
ですね。今気づいた。

「目的を考える」は、すごく大事なことです。

相手に間違いを認めさせ、自分の意見を通すことが目的ではないのです。
「双方がより得をしたり、幸せになること」が目的なら、
対立しなければいけない、なんてことはないわけです。

相手に「そうか、あなたの言うとおりだ、自分は間違っていた」
なんて言わせる必要なんてありません。
むしろ、まず相手に「そうか、あなたの言うとおりだ」
と言ってあげた方がいいのですね。

そうすれば相手は、高い確率で、
こちらの言い分にも耳を傾けてくれるようになります。
まずはそこからではないでせうか。

とはいえ、この本を読んでから何年も経っているのにもかかわらず、
また私は「ホテル事件」で同じことをしているわけですね。(笑)

つまり、衝撃を受けて理解したように思えても、
自分の身につくまで、5年も10年もかかっているということです。
いえ、今だってまだまだ身につけている途上です。

「対立せずに、相手の中に入り、いつのまにか自分流に変えていく」
の、すごくわかりやすい映画が、「ショーシャンクの空に」だと思います!

自分に不利な環境でも、自分個人の力は大きいんだ、
可能性はいくらでもあるんだ、変えられるんだ、と思えた映画です。

私はこの映画を見て、
入ったばかりの、お客さんが来なくてつぶれそうなキャバ的なお店を、
「お客さんがどんどん来るようなお店にしてやる」
「お客さんをたくさん呼んで立て直してやる」
と、奮起した思い出があります。

女の子たちと仲良くして、働きやすい雰囲気にしようとか、
仕事の仕方がわからない子でも、お客さんを呼べるように
なんでも教えたいとか思ってました。

新しい店長と対立して、
悪口を言ったり怒ったり無視したりしている女の子もいましたが、
私は、成績を上げて気に入られるように、仲良くするようにしていました。
そうやって信頼されれば、私の意見も通るようになります。

従業員の立場で、あれだけ主体的に仕事をしたことはなかったので、
楽しくてとてもいい思い出です。
映画見てよかったな。
あのお店と出会えてよかったな。

でもきっと、この記事の内容を、
S先生を糾弾している小学生の私に話しても、
入っていかなかったような気がします。(笑)

自分は正義だと思いこんで興奮してて、
言い負かしたかった、反省させたかった、叩きつぶしたかったから。。

それでも、この内容が頭の片隅にでもあったら、
「何が本当の目的なんだろう?」と自分に問いかけたりして、
すぐではなくても、少しずつ変わったかもしれません。

あああーーー、今日は長いけど、一つの記事にしてしまいます。

では、この次は、一連の記事の総括を書きます。
ちょっと待っててくださいね。


運を育てる―肝心なのは負けたあと (ノン・ポシェット)/米長 邦雄

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