こんにちは。

ヤングあるのメルマガ、
『ホテル編』は昨日一応完結しましたが、
次の記事も関連していたのでアップいたします。

ところで、最初の著書「大好きな人が振り向いてくれる本」に書いた、
「心の命柱をつかむ」について、ときどき質問をされます。
「これについてもっと知りたい、どうしたらいいんですか?」って。

実はこの一連のヤングあるマガは、
「命柱づかみ」の根本になっている心の姿勢です。

私がお水を自分なりに納得するまで頑張ったのは、
「どんな価値観の人が来ても、変な性格の人が来ても、対立せず、融和する」
という修行(笑)をしたかったからです。

そして
「彼がどんな価値観でも、変な性格でも、対立せず、融和する」
というこの姿勢が、好きな人の命柱をつかみ、
一生振られないための根本だと思っています。

以下の記事は、黒澤明監督の映画「どですかでん」で、
とても印象に残っているシーンについてです。

この映画はホテル事件のあとで観たのですが、
まさにあのとき気づいたことだなあ、と思ったのでした。

ではどうぞ☆

以下は10年前に書いたものです。

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2001.11.5

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刀を振りまわす男
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道端や人の家の前で、
奇声を上げながら刀を振り回し続けている男がいました。

町(というかコミュニティ)の人々は遠巻きに怯えていました。

そこに、長老が現れて、その男の方につかつかと近付き

「そんなにずっと暴れていては疲れるだろう。
どれ、私が代わってやろう」


と言ったのです。

途端に男がへなへなになってしまい、刀を地面に落として
すっかりおとなしくなってしまったのです。

もしここで長老にしろ誰かが「やめなさい!」と言って
「やめさせよう」と強制したら、
その男は「うるせえ!!お前らみんな殺してやる!!」と、
余計強硬になっていた、かもしれません。

「暴れて迷惑をかける者」VS「困っている善良な市民」

という構図が出来あがるわけです。

それを、「やめさせよう」「黙らせよう」とする
「剛」で接するのではなく、
彼と同じ立場に立つという「柔」のアプローチで行ったために、
剛の男はかたなしになってしまった
のです。

もちろん、実際に誰かが切られたりして被害が出た場合には
緊急時ということで、みんなで押さえつけたり
最悪の場合、その男に発砲するなどして、
それ以上の被害を出さないようにしなけらばなりませんが。

この映画の場合はただ暴れているだけでしたので、
怪我人はいませんでした。

そこで、長老は、
「火に油を注ぐ」のではなく、「火に水をかける」方法をとったのです。

きっと暴れていた男は、

「無理やりに押さえつけられる」

という想定は十分にしていたはずです。

そしてそれは、興奮している男に対しては、「火に油を注ぐ」ことなのです。

しかし、思いもよらない
「代わってやろう」「手伝おう」という言葉で、
自分のしていることが恥ずかしくなってしまったのです。

「火に水をかける」ことで、無力化してしまったのです。

もちろん、いつ何時でも同じ方法が通用するとは限りません。

「どれ、手伝おう」「うるせーーー!(グサッ)」「ギャーッ!!」

ということも十分ありえますが、
長老は相手が知り合いの男だったのでその判断が出来たのでしょうね。

この例は、分かりやすいモデルということで、
実際の人との対話でも役立てることができるなあ、と思い、挙げました。

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対立やけんかをしなくても、(しない方が)
「和」というのは得られるはずです。

きっと私が塀の脇でパーッと気付いたのは、

自分のしようとしていることはまったく「和」を求めていない、
しかし大事なのは「和」で、
和がなければいつまでも対立して攻撃し合う構造は変わらない、


ということだったと思います。

きれいごとのようですが、
たいていのきれいごとは本当のことを言ってはいるというのは、
何年か前から少しずつ気付いていました。

きれいごとというのは世に氾濫しているので、
みんな、耳にたこが出来るほど聞いています。知っています。
私が悟ったことも、とりたてて新しいことではありません。

しかし、言葉で憶えているだけのきれいごとは
いい参考書を、買った時のきれいなままで
ずらっと並べている状態だと思います。

参考書を並べているだけでは、何も身につきません。
開いて勉強しなければ。

むしろ、並べて満足するくらいなら、
一冊も持っていない方がましかもしれません。

なぜなら、きれいごとを、自分の勝手な言い分を通すための
武器として使っている人は多い
からです。

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以上、10年前のメルマガからの抜粋でした。

「和」って、聖徳太子かよっ!(笑)
相変わらず固いですねえ。
こういうつっこみも、また総括で書きます。

でも、伝えたいイメージだけでも、感じていただけたら嬉しいです。

今、DVDで確認したところ、正確なやりとりは
 
長老 :ちょっと代わろうかね。
暴れ男:なんだと老いぼれ!
長老 :私が代わろう。一人じゃ骨が折れるだろうからね。
暴れ男:・・・・

でした~。

それにしても、この長老の器、余裕、すごくないですか?
超ステータス高い。

また、

> きれいごとを、自分の勝手な言い分を通すための
> 武器として使っている人は多い

については、ついやりがちですが、ほんと注意なのですよ。
この「正しさ」攻撃は、相手との溝を作ります。
これも例を挙げて、またしっかり書きたい部分です。

もうひとつ、ヤングあるマガの関連記事が見つかってしまったので、
またそれも更新するかも。
それは、将棋の名人の言葉で、
私の処世術の根本となっていることについてです。

そのあとで、ようやくこの一連の更新についての総括を書きます~。

ではまた遠くはないうちに!


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