待ちに待った週末!!


ボローニャ歌劇場



まずは『ノルマ』


大 大 大好きなオペラ


なのですが、いかんせん聴くことができない。


主人公ノルマ、巫女アダルジーザ、ノルマの旦那ポリオーネ


ソプラノ、メゾソプラノ、テノール3人のスペシャリストが集結しないと作品が締まりません!!


とりわけノルマは


巫女長としての清廉さの一部分、母親の一部分、嫉妬から感情を乱す女性の部分があり


歌の技術においてもパワフルな声に、アジリタの技法が加わるオペラ界屈指の難役と言えます。


このノルマが歌える人が出なければ、作品は上演されることはありません。





ノルマを歌ったフランチェスカ ドット


まだ若いのに素晴らしい技術でした。


アジリタが得意なのでしょう。


こんなにも軽やかに歌えるものなのかと度肝を抜かされました。


また、ノルマの恋に焦がれる人間部分を歌い分けている事に感情移入させられました。



ノルマも人なんだよなぁ、と納得させられたと言うか


例えば同役を歌う人は、超人的であり、人間離れしている。


だからある意味、ノルマが人である事を忘れてしまう事があります。


フランチェスカは、聴衆が寄り添えるノルマを演じていると感じました。


ただ、美しい声ゆえに、足りない部分として、ノルマが嫉妬に狂う怒りの部分の迫力が少し欠けていた。


今の彼女の声からすれば、一番難しい所なのかもしれません。


これらを総体的に考えると、ノルマを歌うって本当に難しいんだなと認識しました。








次にアダルジーザを歌ったのは脇園 彩さん


彼女のアダルジーザは、世界トップレベルなのでは!?


と感じました。


メゾソプラノという重みある声で、若き巫女を演じる


これほど難しいことはありません。


メゾと言うと、少し落ち着いた


主人公の母親とか、どこか大人びた配役が多いです。


脇園さんの声はメゾだけど、とても澄んでいて、更にアジリタも上手。


これまで観たアダルジーザの中でもトップクラスに感じました。


カーテンコールにおいても、故郷というのもあり、拍手が一際多かったです。


フランチェスカとの二重唱は圧巻で


何も言う事ありません!!



さて、二人のお相手役ラモン ヴァルガスは


登場時のアリアが少しイマイチ。


まあ、あの難易度高いカヴァティーナ、カヴァレッタを聴かせられる人は、歴代テノールを探しても数人しかいません💦



スタート時にガッカリしましたが、脇園さんとの二重唱、フランチェスカも加わる三重唱


ラストのフランチェスカの二重唱


とにかく重唱においての歌声は素晴らしかった。


だからこそ、今回の『ノルマ』は本当に感激した。



父親役を歌ったコンチェッテイ


出番は少ないけど、かなり印象に残る歌唱でした。


もっと聴きたかった(^◇^;)



指揮、合唱、オケは


素晴らしい。


カルミナーティの指揮は


これが正統派ベルカントの指揮なのか!?


全ての音楽表現に納得させられました。



この『ノルマ』の音楽を過去2回ほど、演奏しています。


ピアノ伴奏、またオーケストラ伴奏を作るのがとにかく難しかった。



ベッリーニの音楽はとてもシンプルゆえに、旋律と伴奏型がハッキリ別れているのだけど


どうしたら流麗に、かつ旋律と一体化して音楽を作り出すのだろうと悩んだものです。


この指揮を聴いた後だったら、もう少しいい演奏ができたかもしれない(⌒-⌒; )


数年前に日本で聴いた『ノルマ』とも比べものになりません。


旋律を任されたソロ楽器はとても伸び伸びと歌い、歌声も含めて、完成度の高い音楽でした。


これはまだ、純日本オーケストラでは作り出せないかと思います。


最後に演出



正直、これにはガッカリ


低予算オペラで巡業なのは分かるけど


これだけ素晴らしい音楽なのだから、邪魔しないで欲しい。


特にノルマとアダルジーザの二重唱


後ろで戦いのエキストラ入れる必要ある!?


剣の重なり合う音が二人の歌声を邪魔して、不愉快でした。


あの場面、2人が歌うだけでよくない!?


ベルカントオペラはストーリーの展開がゆっくりなために、演出が難しい所はあると思うのですが


やっぱり落ち着いて音楽が聴きたいですかね💦



色々ありましたが


総合得点としては95点



演出悪くても、ここまでいくのは作品が好きなのもありますが、何せ音楽が素晴らしかったから。


思えば、イタリア本場もののベルカントオペラが聴きたい、から始まりパレルモマッシモ劇場の外来公演『ノルマ』のチケットを取ったものの


コロナで演目が変わると言う💦


最終的に『ボエーム』という


何度も観ているオペラになってしまった。


もちろんその『ボエーム』も素晴らしかったけど


もっともっとベルカントオペラが聴きたい。




最後に残念だったのが、空席が目立ったこと。



自分が座った5階席は満席なのに二階席、一階席も空席が目立ちました。


スポンサーにチケット配った場所でしょうか?


随分と安値で転売されていたし、


今回チケット代は高くなかったけど、まだ日本では人気な演目ではないのかなぁ。


とても素晴らしいオペラだけに残念です。



ベルカントオペラ



自分はいつだって応援します!!



明日は、アルバレス登場『トスカ』



本当に歌いますよね!?



3回もヨーロッパで振られているので、日本で聴けることが、未だに信じられません💦