秋が来る | 紗奈

紗奈

急性骨髄性白血病(M7)を発症し1年3か月の闘病の末天国へ旅立った娘を持つ母親の患者家族としての記録

先月末無事に2回目のワクチン接種を終えた

 

1回目は多少注射した部位に痛みがあったけれど特に何事もなく過ぎ

 

2回目は腕の痛みで当日夜中に何度か目が覚めることがあった

 

左腕に打ったので左を上にして寝ると痛みがひどくなった

 

仕方ないので何度も寝がえりを打ちちょうどいいところを探しながらウトウトしていた

 

翌朝はさほど痛むこともなく発熱も倦怠感も特になく今日になった

 

年齢が上のほうがあまり副反応はないとかファイザー製だから大丈夫とかいろいろな記事を読んだがこればかりはどうなるか分からないので私は大丈夫でしたというしかない

 

 

打つも打たないも自由だけれど打ちたい人は打てるように制度も社会もなってほしいなとは思った

 

 

 

 

ここの所関東地方は雨続きで秋の気配が強くなっている

 

また暑さが戻ったとしても夏には戻らないだろう

 

にゃんが亡くなったのは春だったけれど今くらいの空気で急に涙が出てくるのはなぜだろう

 

ヒヤッとした空気の感触に病院へ通った日々を思い出す

 

何も手につかなくなってただにゃんの笑顔の前で泣き続ける

 

今もそう

 

ゴミ出しに外へ出て空気の匂いで泣けてきてしまった

 

 

 

 

無菌室には20分しかいられなかったけれど毎日通った

 

味覚も壊滅的に壊れてしまい何も食べられない

 

狭い病室の中で熱や吐き気や倦怠感と一人戦っていたにゃんの不機嫌に時々折れそうになりながらも心配で、顔を見たくて通い続けた

 

 

たまに主治医からの話などがあり暗くなってから帰宅する時があった

 

電車を降りて角を曲がってマンションの前から部屋を見上げる

 

あの時の空気とマンションの光景が何一つ変わらず目の前にある

 

帰宅しても誰も迎えてくれない部屋

 

あの時も今も…

 

 

逢いたいな

 

迎えに来てくれないならこっちから逢いに行こうかな

 

どこにいるんだろう

 

どこへ行ってしまったんだろう

 

ずっと夢を見てるようだ