にゃんが退院してから少し経った頃
いらないものを売ってほしいと大量の本とCDを出してきた
不用品は私がメルカリで処分していたのでそこから出してほしいと言ってきた
骨髄移植も成功してやっと退院出来ていろいろ思うところあってのことかなと思っていた
ほとんどが売れて残ったものは宅配買取で処分した
途中でがら空きになった本棚を見てなんか身辺整理みたいで嫌だなと思ったことがある
その時はなぜか口には出せなかった
それからさほど時間を置かないで白血病再発が確認された
にゃんが亡くなってあらためて部屋を整理しようと思った時にわかった
にゃんは本当に身辺整理をしていたんだ
そのころの通院では血小板が少なくなってきていると言われていた
にゃんは再発を覚悟していた
再発したらきっと助からないと思っていたのかもしれない
全てを処分したわけではなく日記や趣味のものは残っていた
万が一のために、でも大丈夫かもしれない
きっとゆらゆら揺れていたんだろうと思う
もっと寄り添ってあげればよかった
絶対に治るから大事なものを処分なんてしなくていいんだよと言えばよかった
どうしてもっとにゃんの気持ちを考えてあげられなかったのか
自分が死ぬかもしれないなんて考えるだけで怖かっただろうに
どうして私はにゃんなら大丈夫だと思っていたんだろう
どこまで行っても駄目な母親だ