休むようになって、3週間経った。

これではいけないと思い、上司の一人に「お話しするお時間をください」とメールを送った。


そこで「お昼を一緒にしましょうか」という返事が返ってきて、会社の近くで食事を2人ですることになった。

すると、心配してくれたのか当日になって、同僚が「ご一緒していいですか」ということになり、総務課長も「ご一緒させてください」ということになり、ミスドで二人でお茶するつもりが、和食のお店でがっつり面談ということになってしまった。


総務課長は今までの経緯を何も知らない。

そこで私の病名・病状から、両親は離婚して母親は全くノータッチなこと・父親が癌で余命1年の宣告を受けていること・父親の借金・その借金のために弁護士にお世話になっていること・公認会計士の先生にお世話になっていること・税金等の滞納が100万近くあること・親戚への借金が100万以上あること・そしてそれに自分自身の体調が対応出来なくなってきている事など全部を話した。


そこまでを聞いた総務課長の問いは優しいものだった。

「そこで、佐奈さんはどうしたら一番楽になれますか」


「入院したい。」本音はこうだ。でも、出来ない。

「しばらくお休みを頂きたいと思います。パートなので休職はないとおもうので、一旦退職させて下さい。」

こんな風に返事をしたと思う。

「では、その意向を専務と社長に伝えてみますね」と言って、食事会兼面談会は終った。


夕方、総務課長から電話が掛かってきた。

「佐奈さんの言ったとおり休職は無理なので退職という形になるのですが、専務が体調がよくなったらいつでも戻ってきてくれたらいいとおっしゃってました。佐奈さんが感謝していると伝えたら「そうか」と笑っておられましたよ。」

いつもこの会社はありがたいなぁと思う。最初に退職したいと言った時も休職期間を特別に延長してもいいから考え直しなさいと言ってくれた。今でも帰ってきてもいいと言ってくれる。

事務手続きは担当者が帰ってしまっていたため後日になったが、その返事だけでもその日は充分だった。


だいぶと話すのにパワーが要ったのか、単にクーラーに負けたのか、翌日39.3度の熱を出した。

ロキソニンを飲んで、汗をかいて、平熱になるまで3日掛かった。知恵熱か。

事務手続きをしに、もう一度会社に行かなければいけない。

その時には皆になんと言ったら良いのか、どこまで挨拶にいったら良いのか、今はそればかり考える。

ひとまず専務と社長にはなんとしてでも感謝の気持ちを伝えないと。

こんな私でも雇い続けてくれた稀有な会社だ。



父は抗がん剤の副作用で髪の毛がほとんど抜けた。

思い切って散髪に行き、今ではすっかりスキンヘッドで過ごしている。

一緒に買いに行った黒いキャスケットは気に入ってくれたようで、毎日かぶってくれている。


債務整理を弁護士に依頼していて支払がストップしている分、金銭的に余裕が出てきたようで初めて家のローンを私の貯金ではなく、父自身の収入から払えた。

やっと実家と私たち夫婦の収支の分担が出来そうな気がしている。まだ少し気が早いだろうか。



先週の処方は、前回と一緒だった。

会社を辞めたと聞いたら医師はおどろくだろうな。でもきっと「それがいいかもしれませんねぇ」ともいうだろう。

毎日エバミール2Tとアモキサン2Cとデパスだが、最近は中途覚醒もしくは早朝覚醒が多い。

これがぐっすり眠れてしゃっきり起きられたら、いまのところいうことはないのだけれど。