1,000回ころんだ先。
それでも未だに目的をもって生きている。
転んでいる方のお役に少しでも立てればと思います。
さて、それでは本題に。
仕事を親族に明け渡して無気力になった父は1年ほど働かず、住宅ローンに印刷機器などのリースローンの返済が滞る。
しかし、当時の私はへんに真面目だったのでバイト禁止のルールをほぼ守って家計を助けなかった。
裏切られた父のために私は父の夢に協力することにした。
そもそも、体育教官の担任が大学なんていけないと父に吹き込んだので私を進学させる気などなかった。
私自身も進学には色々と支援の道があることを知らなかったので諦めてもいた。
父の希望どおり、和食職人になれるように東京の繁華街のお店に就職した。
本当は料亭に行くことになっていたが、その紹介者の弟分が人がいないのでぜひということで繁華街のお店になった。
お店の人はみな本当に人の良い方々だった。
しかし、まだ卒業式も終えていない17歳にはきつかった。
11時から配達された生鮮品の整理、夕方まで仕込みの手伝い、開店後は雑用、閉店は2時ごろ。
賄いは作れなかったので先輩が用意してくれていた。
本当に美味しいものばかりで、焼き魚が大嫌いだったが賄いの焼き魚は最高に美味しかった。
バブル景気に沸いていたからなのか、閉店後には親方がみなを高級店に3日に一回は連れて行ってくれた。
その合間は、先輩に連れられて毎日飲酒、そんな時代だった。
朝4時くらいまで飲んで、風呂を沸かして、その間は順番に先輩のマッサージ。
屋台のおでん屋では飲み切れず、アスファルトに垂れ流した記憶もある。
へとへとだった。
そんな時代で、悪気もなく、可愛がってくれていたが耐えきれずに逃げた。
それから数ヶ月後に今度は別の飲食店に父の別ルートで就職した。
すべては親族に裏切られた父の新たな夢のために。