若田光一宇宙飛行士さん無事のご帰還おめでとうございます。


これまで身体運動についていろいろと投稿してきました。


今回番外編で宇宙に行って起こることを


これまでの情報から(また変わった可能性あり)お話します。


さて今回のミッションで若田氏のおかれた環境と


地上との圧倒的な違いといえば重力の有無ですね。


われわれは通常1Gという大きさの力で地球に引っ張られています。


宇宙空間では(環境を比較的ととのえてあるステーション内においても)


重力が小さく抗重力(重力に逆らう)にはたらく筋肉が働きにくくなります。


そこで筋力低下をおこしてしまいます。


そのためステーション滞在中は1日2時間半という時間ある訓練をおこないます。


トレッドミル(歩行訓練機)やエルゴメータ(自転車漕ぎ)です。


道具によって負荷をかけるのです。


しかし筋力低下や骨粗しょう症はまぬがれません。


これには理由があります。


そもそもヒトの骨(コツと読みます。)には


長軸(縦方向)に圧がかかっている必要があるのです。


ざっくりいって骨も一種の金属だと思ってください。(カルシウムは軽金属)


そこで長軸の圧刺激によって電気が走ります。


ピエゾ効果といいましてカルシウムの代謝(ぬける)のをおさえ


もっというと再生をうながします。


現在のリハビリテーションでは骨折後も時期によって圧刺激を増やすことを


推奨しています。(超音波を利用することも)


2時間半(着替え時間も含めて)の訓練を毎日続けること自体たいへんですね。


(2月4日の日本宇宙フォーラムで向井千秋先生(元宇宙飛行士)から


直接うかがいました。)


日常で重力に逆らうということはとても大事なのです。


寝ていることが多い方また筋収縮が少ない方


骨の代謝が進むことが骨粗しょう症の進行と考えられています。


適度な運動が必要な理由がお解りいただけましたでしょうか?


健康な宇宙飛行士のみなさんもこれまで骨粗しょう症の進行が認められてきました。


わたしは通路を狭くして手足を壁につっぱって移動すれば


筋力の低下も骨の代謝も少なくとも今よりは少なくなるのではと提案しています。


わたしは、つねづね特別な時間をもうけての訓練よりも


日常生活が身体能力の維持・増進のカギだと考えてきました。


ステーション内における日常生活による体力の維持が必要です。


くわしくはJAXAOpenlab に09,1月20日にすでに提出済みです。


採用されることを楽しみにしています。


參學Studio