――ところで、僕はハード・ロックの兄ちゃんよりHIP HOPのラッパーの方が断然恐い!恐いし、入りにくい。どういう事かというと、ギャングのカルチャーを想像するから。
…さっき言ったように、若いラッパーの中には犯罪的になっちゃってる奴もいるんだろうけど。俺は、それもまた違うと思うし。彼等の「リアル」っていうとアメリカのHIP HOPを見てるから。だから凝り固まって考えてる奴がいっぱいいると思いますよ。「自分らはアンダーグラウンドで、一般人に受け入れられるわけねえ」って。「犯罪的でもいいや、マリファナでも吸って」みたいなね。だけど、それは間違ってる。そういう、HIP HOPへの“入りにくさ”を出してる奴がいる。
――実際のところ、そういった先入観があるのは否めませんね。
でも、ポップスにも悪い人はいるのに、表面に出やすいんですかね、HIP HOPの方が。悪いイメージがもともとあるから…うん。ちょっとこういうオーバーサイズな服着てたら、それだけで職務質問受けたり(笑)。絶対そういうイメージだから。
――はっはっは。
何か起きておまわりがやって来たら、彼等がとりあえず最初に捕まえるのが俺ですからね(笑)。「おいおい待ってくれよ!何で俺が!?」(笑)やっぱり見た目で判断されるから。
――わかりやすいですね!
でもラッパーには面白い奴も優しい奴もいっぱいいるし。理由なく怒ってる奴はアホですよ。それはHIP HOPの価値を下げてると思うんですよ。俺だっていつも怒ってないですよ。
――では、bay4kさんはどういう時に怒っている?
車の運転でよく怒ってますよ。「おっせえな、前の車」って(笑)、イライラして。
――bay4kさんを見てHIP HOPに興味を持って「俺もラップをやりたい!!」と思う少年がどこかにいたとして、それに対してメッセージやアドバイスはありますか?
俺が最初に自分で試してたのは、好きな曲ができたら、それに関わっている人間をクレジットでチェックする。で、そのプロデューサーが他のアーティストで作った曲を買ってみる。それで良かったら、次はアルバムを買ってみる。そして今度はそこで参加しているラッパー達の曲を買ってみる。ひたすら聴いて、自分が何が好きなのかを知った方がいいですよ。
――「ラップをやりたいけど…行動を起こすにしても何から始めれば?クラブでライブをするにはどうしたら??」という億劫な子がいたら?
声の入ってないトラック(音楽)に自分の声乗っけたら、それがラップじゃないんですかね。今言った「億劫な子」ってのは趣味でやるんだったらいいけど、シーンでは絶対花開かないと思う。ガツガツと、図々しいくらい自分で行って、「ちょっとその曲演らせて下さいよ」て言えるような奴じゃないと無理だと思う。そういう億劫な奴は「自分」を知って、聴く側で応援してくれたらいいよ。
――厳しいなー。
だって、中途半端に声掛けてそいつがそれ一本になって、食えなくなっちゃったら俺のせいじゃないですか。責任持てないもん。本当に大変だから、これでやってくのは。引っ込み思案な奴に「頑張れよ」とは言えないから。ラッパーは、スタジオやステージでパフォーマンスして顔売ったりしないといけないからね。
――自身の数年後はどうなっていたいですか?
アルバムの中の「マニフェスト」っていう曲にも書いてるんだけど…自分のレーベルを立ち上げて、音楽活動をしっかりできていれば幸せですかね。数年後は。
――これからもリアルな体験を歌っていきますか?
以前、ある人に「どうしてそんな過去の悪事ばかりラップにするんだ?」って言われたんだけど…俺はこれから、これ(ラップ)で更生するから。だから悪い事から更生しようと思って、自分のこれまでにやってきた事を書いてるんです。こういう事で警察沙汰になったとか。「こういう事実もあるんですよ、皆さん。だけどこんな奴でも夢を見て頑張ってるんです」っていう感覚かな。「I Believe」って曲でも歌ってるんですけど、自分は音楽で真面目にやっていきたいっていう自分の熱意を信じているから。
end.
(2007年9月)
インタビュー・文:井本ハチロウ
送料無料の情報が満載!ネットで買うなら楽天市場
