ここはシリアのバスの中。僕がバスの中で見たものは?? | キラキラ玩具Expansion

ここはシリアのバスの中。僕がバスの中で見たものは??

Hi !


夏休みですね。皆さんどこに旅に出るのでしょうか?


TFでもマーベルでもそうなんですが、アメリカは「巨大な悪」に対しては善と悪のキャラクターが共闘するっていうのが好きですね。僕も好きです。


でも「悪の定義」はなんでしょうか?

勿論テロリズムは憎むべきですが、イスラム社会を憎む必要はゼロです。

僕はイスラム圏も旅をしました。勿論安全は地域しかうろうろしていません。


イスラムの人はかなりハートフルな人たちです。コーランの教えにも旅人には親切にするようにとあるので皆、本当に親切です。


街を歩いていても、日本人には比較的好意的で
「遠いところからよく来た。もっと我々の国の事を知ってください。」とハグされることもままあります。


なんだかテロリズムは悪でありますが、イスラム社会も悪とみなしている人もいます。


とんでもない話です。


さて僕はイラク戦争が始まってしばらくたった頃にシリアの首都ダマスカスへ向かう長距離バスに乗っていました。


バスもダマスカスに到着という時にバスの前列に座っていた白人ががばっと立ち上がりました!


「トイレか?!」はたまた「アフガンの暴力バスか?!」
と思いましたが違うようです。


ちなみにアフガンの暴力バスとはバスの一番前に座っているひとをボコボコにして

「こうなりたくなかったら金目のものをおいていけ!」

という合理的で荒っぽいバス強盗のことです。

だからアフガンではバスの前列に乗ってはいけないという旅行者の笑い話です。


さてその白人のオッサン

「ダマスカスから空港への行き方を知っている人はいませんか?フライトに間に合うかどうかも解らない!」
とオッサンちょっと焦っていました。


そうでした。このバスは定刻よりも到着が遅れているのでした。


そんな今日フライトなのにバスなんかで移動するのもどうかと思いますがそで振り合うのも多少の縁。


僕はおもむろに「地球の歩き方」を取り出し調べました。

オッサンはまだ「誰かしりませんか?」と言っています。


ふと思いました。行き方を教える程度の英語力はあります。

しかし僕が調べているのは天下の地球の歩き方、値段や行き方に関して平気で実際とは違うことが書いている本です。


これはちょっと考え物です。


調子に乗って教えて結局間違った結果にならないか?

知らぬ顔の半兵衛を貫いたほうがいいんじゃないかと。

僕がう~んと唸っていると、アラブ人のおじさんが教えてあげていました。


「英語があまり堪能じゃないから上手く伝わるかどうか…」と言っていました。

白人のオッサンは大いに感謝して有難う、有難うと。


アラブ人のオッサンが聞きます。


「どこへ帰るんですか?」


「アメリカです。」

「あなたはどこの出身ですか?シリアですか?」

アラブのオッサンちょっと躊躇して


「…イラクです。」


イラクキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

呉越同舟?
イラク人って嘘かホンマか解りませんが、ビックリしました。

アメリカ人のオッサンはもっとビックリしていました。

「あの…あの…」
イラクのオッサンが言います。
「先日はわが国はあなたの国のボスに大変お世話になりました。」

先制パンチキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

「ブラックジョークか嫌味か本心かなんなの~?顔は笑ってるけど!!」

と思いながらじっと後ろで様子を伺っていました。


アメリカのオッサンは苦笑しています。

そりゃどう返したら良いか解りませんね。この人が空爆したわけでもありませんから。


察するにイラクのオッサンは冗談で言ったんでしょうが、洒落にならんかったみたいです。


どうするのか直ぐ後ろから固唾を呑んで見守っていたら

アメリカ人のオッサンが握手を求めました。
イラクのオッサンもがっちり握手。


素晴らしい光景を目の当たりにしました。他の人は居眠りしていましたが僕はしっかと見ました。

まるでゲッターとグレートのような力強い握手でした。


それからは2人はたわいもないこと、アメリカのどこに住んでるか仕事は何かと言う話をして和気藹々としていました。

「間に合うかな~」「大丈夫、大丈夫」とか言っていました。


個人と個人はこんなに楽しそうに話しているのにと、国と国は戦争をしていているんだなぁ思いながら見ていました。


そんな我々を乗せてバスはダマスカスを目指しました。


と、そんないい話でこのブログが終わるわけない!


僕が本を読んでいると、彼らの話は、僕に飛び火しました。

「あのアジア人はさっきから何にも言わないけど何だろう?どこの国の人だろう?ネパール人かなタイ人かな?」


なんで僕が話しに入らないといけんの?

するとアメリカ人のオッサンがいいます。

「違う違う、彼は…ああ漢字の書いた本を持っている。漢字は彼らの使う文字だ。彼は中国人だ。」


「そうか!なんで中国人がこんなところにいるんだろう?」

「さぁ?でも彼は英語が話せないんだろう。何も言ってこない。」


失敬な!何で僕が「こんちは~日本人で~す!」と用もないのに自己紹介しないといけないんでしょう?


そしてまたこんな中東に英語も話せない人が一人でバスに乗っているわけない!

そんな奴見たことあんのか??


と思いながら、僕はじっと笑いをこらえながら本を読んでいました。


何にせよ稀有な体験でした。


ダマスカスのバスターミナルに付いた時に街までの乗り合いバスに同席した青年軍人将校のようなシリア人。
色々聞いていくるので、何を答えても返事は「Amaizing!」「Fantasitic!」

随分投げやりな返事なので怒っているのか思ったら、最後に「君にあえてよかった!」とがっちり握手。なんで?


このように次から次へと面白いことがわんさかやってくるのが旅というものです。


と今日はこんなところでお終いです。


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