インドで軟禁!その4 出バラナシ記
やれやれ、今日の仕事ももうひと踏ん張り。
師匠は今日はおやすみだなんて行っていたけれど
今日はお休みじゃないですよ。
さてさて本日でこのシリーズも完結です。
ちょっと長いですがスイマセン。
旅の生活の中で、朝は早起きしてしまいます。
夜は飲むかTVしか娯楽が無いので、早寝になります。
インドの朝と言えば僕はバナナ売りの屋台に行ってバナナを買うこと。
それが朝食です。
昨日と同じようにバナナを食べ、皮はウシに投げ与えガンジス河沿いを歩いていました。
昨日と同じ光景です。違うのは僕一人で歩いていることぐらい。
同じ光景ならば同じことが起こります。
(その1参照のこと )
「お兄さん、お兄さん!!」
出た!Σ(゚д゚;) 昨日のチンピラ!
まずい!非常にまずい!
「昨日は腹が痛くてな、いけなかったんだ。
Stomachacheだ。わかるなゲットシックだ。うむ。」
「お兄さんたち昨日来ない。ボス怒ってる。お兄さんどこ泊まってる?ボスにあいに行く。誤る!」
「お兄さんたち今日くるか?」
おおっと譲歩してきた。
ここはこれで逃げ延びよう。
「うん、今日は行ける…かな?」
「今日迎えに行く。お兄さんどことまってるか?
プシュカルかクミコか?」
二つとも有名な日本人宿です。
「僕は…なあ、あっちだ、あっちに泊まってる。」
「アッチゲストハウス?知らない。どこ?」
「いや~向こうだ。アッチのほうだ。」
「分からない、連れて行く。いいか?」
さすが日本語を話すだけあってしっかりしたガキだ。
「昨日は大変だっかか?」
「大変だった!ボス連れて来い!言う。探した。」
「じゃあ今日も行かないとどうなる?」
「ビックプロブレム!ボスのボス怒る!」
ボスのボス!それは本当か嘘か…。
とにかくこのガキをまかねば…。
「そうか、じゃあ今日は行くとボスに教えたほうがいいんじゃないのか?ここに座ってるから…。」
「そうか、分かった!」
と行ってしまった。
しっかりしているのか抜けているのか…。
僕は一目散に誰かに付けられてやしないか注意しながら
宿に引き返しました。
ボスもガキも正直胡散臭い。
ただの小遣いかせぎのチンピラかもしれない。
もしも本当にマフィアで今泊まっている宿に迷惑がかかってはいけない。
宿の場所を知られるわけには行かない!
後ろ歩きで裏道を通って宿に帰ると先生はバルコニーで小説を読んでいました。
「た、た、た大変です。」
「何が大変なの?」
「かくかくしかじか…!」
「はァ…でもこういうときはやることは一つ!」
「やることとは?」
「逃げましょう!」
僕達は荷造りして列車の時刻表を調べました。
すると宿のアンちゃんが話しかけてきます。
「おい!お前らもう出ていくのか?なんでだよう!もっといろよ!」
「ああいや…この町は退屈だから…」
「なにい?!退屈!おい今日は絶対に出て行くな!俺が今日は絶対に面白いところへ連れてってやる!いいか!退屈なんていわせないぜ!」
熱いアンちゃんだ。だからこそ迷惑はかけられない。
「もう鉄道のチケット買ったから、ごめんね!また来るよ!」
「どこに行くんだ?」
「デリー。」
「デリーではどこに泊まるんだ?俺の知り合いの宿に泊まってくれよ。今ホテルのカード渡すから…。」
もう早く出ないと小僧に見つかるかもしれないのに!
「もう宿は決めてあるんです!」
「どこの宿?なんて名前?」
「ネバーマインドホテル!」
「おいおい!そんな名前のホテルあるわけね~だろ!
どこにとまるんだ?」
「Nevermind!」
「お前知ってるだろ教えてくれよ。」
「ネ、ネバーマインド。また来ます。さよなら!」
「おお!Never Mind!」
アンちゃんと奥さんも見送ってくれて、アンちゃんのパパもハグしてくれました。
僕達はサイクルリキシャーを捕まえてバラナシを脱出できました。
ああ世の中にはいろんなことがあるんだなぁと思いました。
ただ一つ言えるのはこんな経験しても何の役にも立たないし、
僕は何も反省していないという事です。
なぜならば次の旅で「わざとどこまでも騙されてみよう企画」を
慣行するに至るからです。
その話は参考資料が見つかり次第記事にします。
あ~身一つで旅に出たい!!