──8:35分
僕のクラスの担任の、折原がだいぶ遅れて入ってきた。
「おっす、今日もみんないるな。出席終了」
いや、簡単すぎるだろと心の中で突っ込みを入れながらも、サボり魔の折原はすでに教室にはいない。
しかしその時、
──山本ぉーーー、腕伸ばすのは校則違反だぞおおおお
と、廊下の遠くの方から声が聞こえた。
「校則違反なのかよ・・・」
すでに縮むことのない256㎝の左腕を見ながら、僕は呟いた。
「おい、山本。右腕も少し伸びてるんじゃないか?」
突如背後から声が聞こえる。
その声の主は、学校一優秀な古谷のものだった。
「・・・なんだその絶望的なお知らせは」
「いや、だってお前さっきまでは右腕は78.2㎝だったけど今は86.3㎝と伸びてきているぞ。」
「え、おまwwww右腕もwwwwワロスワロスwwwwww」
後藤が喜ぶから、これ以上言うのはやめてくれ古谷。
そんな願いも虚しく、僕はひたすら伸びてくるこの両腕を、軽蔑の目で見つめるしかなかった。
* * *
──昼休み、伊藤と後藤と古谷と僕で机を固め、弁当を食べる。
「・・・おい、山本。食べれんの?」
「あ?」
伊藤が俺に疑問を投げつける。
いやしかし、食べれないことはない。
釣りみたいになってるけど・・・
「うん、まぁ・・・うん。食べれないことはない」
「そうか・・・」
そんなこんなで、微妙な空気のお昼は終わった。
しかし、そんな平和にこのクラスのお昼は終わらない。
古谷が僕の腕が伸び始めていることを知ってから、うるさいのだ。
たとえばこんな感じに。
「おい、山本。1㎝伸びたよ。あ、0.2㎝伸びた。左腕も伸びてるね、今はー・・・263㎝かな?右腕も伸びちゃって大変だねwほらまた3㎝伸びたよw」
そしてそこにもう一人の新キャラ阿部がこういうのだ
「ЮДЖКΩξγШβ♀?τ∀И☡∞wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「なんかすっげぇ馬鹿にされてる気がする」
たぶんこの癇は当たっているだろう。
そもそも阿部何語喋ってんだよ。
なんなんだこの高校!
そうして僕の腕が伸びた初日の学校は幕を閉じた。
僕は腕を引き摺りながら家まで帰宅したのだった。