南国外乗🌴🌴🌴に取り憑かれて…

熱風が夜明けの大地を覆い始める頃、灼熱の南の日差しと喉の渇きに今日は勝てるかな?今日のバディの彼女は涼しい顔でさぁ行くわよ、と軽快に脚を鳴らす。

厩舎からの小径にはバナナと椰子の木々が、甘い香りを差し出して、バナナ持ってく?椰子の実ジュース飲んでく?と極東アジアから来た和製カウボーイは誘惑に負けてしまいそう。”行くわよ!”...彼女が少し嘶いたかと思うと真緑の稲の絨毯へと手綱を引っ張る。

タイは世界有数の農業国、今では自動車産業のアジアのハブとして有名だが、大都会のバンコクから1時間ほど走れば、タイ最大の田園地帯が広がっている。タイに来た方なら記憶にあるだろう、着陸前の機内の窓から見る“あの”田園風景“なのである。

眼前にただただ漠然と、淡々と、延々と広がる命の源が飛び込んでくる。

“駈けるわよ!”

彼女がそう叫んだのか、僕の心の声だったのか、どっちでもいいか?

“オーケー!ほな行こか〜!” (続く)