過去記事 2011年
夜明け前に帰宅すると、あの子は冷たくなっていた。
分かっているのに名前を呼んで
そして諦めて
頭を撫でて
家に入って、かみさんに告げる。
いつものように風呂に入って
いつものように、飯を詰め込んで、
いつものように布団に入る。
2時間ほどで起きて、火葬場を探し
巻き尺を持ってきて、あの子を測る。
箱に寝かせて、花を詰める
感情の無い時間が過ぎて電話帳をめくって電話をかける
「今日のお昼に空きがあります」との返事に、予約をする
かみさんと手を合わせ、あの子とサヨウナラ
C型肝炎闘病中の私にとって休息不足は致命的だが、少しも疲れない
いつものように、昼のには飯を喰い
いつものように出勤して
いつものように、大声で笑い
いつものように腕捲りして
いつものように走り回り
いつものように大型トラックを転がす
いつものように、仕事を終え
いつものように帰宅して
いつもの、あの子は迎えに来ない…
いつものように風呂に入り
ちょっと泣いて
いつものように、飯を喰い
いつものように、布団に入る…