Pete "Number 174, 63, 1503."
Nick "Pete, I don't want her zip code."
Pete "It's her social security number, asshole.
She works for you."
ピート「ナンバー174、63、1503」
ニック「ピート、ボクは彼女の郵便番号なんて知りたくないぜ」
ピート「彼女の社会保障番号さ、アホ。彼女は君の会社の社員なんだぜ」
(映画『フラッシュダンス』より)
1983年のヒット映画『フラッシュダンス(Flashdance)』で最初にヒロインであるジェンファ・ビールスがバーで踊っているところを社長であるニックと友人のピートが話をするシーンです。女性の社会保障番号
を丸暗記しているピートがちょっとキモイけど・・・。
実はわたしもかつてアメリカ留学時にその「Social Security Number」を取得しているのですが、今日はその「Social Security Number」の話をします。
かれこれ17年前のこと。当時、コミュニティーカレッジの学生だったわたしは夏季の授業としてコンピューターの授業を受けることにしました。パソコンを使って文書を作ったり、ちらし(flier)を作ったり、求人広告(want ads)を作ったりと結構面白い授業でした。
クラスには様々な人たちがいました。生粋のアメリカ人もいればアフリカやアジアや中南米からの移民たちもいますし、年齢も様々でした。
わたしは一応コンピュータの使い方はある程度知識があったので割とスムーズに課題をこなすことが出来ました。そんなわたしにアジア系の女の子も声をかけてくれたりしました。日本人ではなくてわたしよりも英語がペラペラでした。
これはいい感じだぜ、と思ったのも束の間、こちらの英語の会話力があまりないことが判ると次第に疎遠になっていきました。やれやれ。
ある時、グループで課題をやることになりました。わたしはすでに疎遠になりつつもその女の子に声をかけました。
「まあ、いいけどさぁ」
って感じでした。更に・・・。
「ジャックソーン!」
その女の子がクラスのアジア系の男性に大声で声をかけました。
・・・こりゃ、参った。それにしてもアジア人の分際でなにがジャクソンだよ。
なんて思いました。
結局女の子ひとりにジャクソン君とその友達、それからわたしと、後からメンバーに加わった寡黙なエチオピアの男の子というメンツになりました。
しかも、その時出された課題はコンピューターというよりもちょっと数学的な問題だったのでわたしにはちんぷんかんぷん。
それをあざ笑うように女の子とジャクソン君とその友人の三人組はどんどん問題を解いていき、見事に解答し、三人で握手しあって盛り上がっていました。
それを静かに見守るわたしとエチオピアの男の子。なんともなさけない。
でもね。言わせてもらえば、「貢献度ゼロのパラサイト野郎」と言われようが、正解したグループのメンバーみんなに「A」が付くんですから、わたしの勝ちです。テヘペロ。(ちょっと古い?)
さて、コンピューターの授業の成績が教室前に張り出される日がやって来ました。
「成績は名前じゃなくて”Social Security Number”で貼り出されます。セキュリティのため、番号は最後の一文字だけ外しています」
とハドソン先生。なるほど、他人の成績と社会保障番号が知られないように配慮してくれたんですね。
わたしが教室に向かって歩いて行くとクラスの女の子が声をかけてきました。ちょうど例のアジア系の女性と疎遠になった頃から話をするようになったアフリカから来た女の子です。「黒人女性もアリかな」と思わせる明るくていい感じの子です。
「成績どうだった?」とわたしが訊くと、
「Aよ」と嬉しそうに答えます。
「おめでとう」
と祝福しながらも、わたしもAを取る自信がありました。
ところが・・・。
残念ながら「C」でした。
もしかしたら、グループ学習で貢献度ゼロだったことがバレたのかも知れません。
がっくりしました。結構自信があったから尚更でした。
ところがです。すぐにある事実が判りました。
やっぱりわたしはAだったのです。
そして、わたしが見たCの成績はそのアフリカの女の子のものだったのです。
なんとわたしとその女の子の”Social Security Number”は最後の一文字以外は全く同じだったのです。なんという偶然!!もしかしたら同じ日に同じ場所で番号を取得していたのかも知れません。
実はもうひとつの偶然があって、その女の子はエチオピア人でグループ学習の時に一緒だった男の子とは友人だったとのこと。
その後、三人で話をしていた時に、わたしは例のアジア人の女の子の話をしました。
「ああ。あの韓国人の女ね」と彼女。
「えっ?どうして韓国人って判るの?訊いたの?」とわたし。
「いや、本人と話したことはないけど、見りゃ判るわよ」
・・・アジア人のわたしですら中国系と韓国系の見分けがつかないのにエチオピア人の女の子にそれが判るなんて、スゲー!!
わたしはひたすら感心しました。
Flashdance What A Feeling - Irene Cara
映画『フラッシュダンス』の主題歌。1983年5月28日から6週連続で全米1位となり、その年の年間シングルチャートでは見事3位となった大ヒット曲。サントラもアルバムチャートで首位を独占していたマイケル・ジャクソンの「スリラー」を抜いて2週連続で1位となっている。
Want Ads - Honey Cone
1971年6月12日に1週間だけ全米1位となった。ハニー・コーンはLAのR&Bグループ。