手書きのしょぼい領収書を受け取って、
さっさと車の外へ出た拙者は、周りを見渡した。
どこへ行けばいいのかな?
拙者は納得のいかない顔をしているroom mateを
なだめながら、なんとなく歩いた。
こういうときの拙者の勘というか、第六感はすごい。
よくわからない土地で目的地へたどり着けなかった
ということが、拙者はあまりないのだ。
すぐそばに駐車場というか、空き地があった。
明け方なのにもかかわらず、たくさんの車がある。
入っていくと知ってる顔ぶれが集まっている。
拙者はDirectorたちと握手をかわすと、
さっそく領収書を差し出した。
DirectorとProducerも顔を見合わせた。
やはり金額に驚いたみたいだ。
結局拙者は、自分の金じゃないから
£30を黙って払ったに違いない。
ちょっと自己嫌悪に襲われたが、あとの祭りである。
とりあえず、隣の喫茶店?へ。
どうやらオーナーに段取りをつけているらしく
朝早くから中へ入れてもらい、コーヒーをいただいた
寒い朝に、これは嬉しい。
く~っ、暖まる~っ!
ほっこりしたところで、衣装がえ。
この極寒の空気のなか、拙者の衣装はといえば
profileの写真を御覧のとおり、
薄いガーゼのような生地で作られた白装束一枚。
さ、さ、寒ぃ~っ!
着てきたコートを上にはおり、現場へ向かう。
本日の現場は、森の中。
日が出ているうちに撮影しなければ間に合わない
さぁ、最初のsceneのrehearsalだ。
よっしゃ~っ、やるぞぉ!
拙者の体中の血液が沸点を超えた。