日本は豊かになりすぎた。この甘えが続いているんじゃないかな。


不自由な世の中であれば人間はもがき、自らを奮い立たせ、生きるために必死に逆境に立ち向かっていく。


気力。そういうものが芽生えてくるんだけど、今はそれが必要ない時代の様に感じる事がある。


大抵のものは望めば手に入れられる。


俳優修行をしていた頃、三日間なんにも食べるものがなくて飢えていたことがあった。


さすがに三日目は耐えられず、近くの畑に行って虫に食われて売り物にならない、つまり収穫されず残され捨てられていた作物に手を出した。


そんなものでも美味しくてね。その時の感動、感謝。忘れない。


当時、飢えというのが私は一番恐かった。


思えば、最悪のものを食べて生き抜いた青春時代だったかもしれない。


食べ残しは今でもできないし、少しでも無駄にしたくないんだよね。


だから、餓えた人達、悩み・痛み・苦しむ人達の気持ちが分かるようになったんだ。


合掌、
藤岡弘、


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