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夢の続きはベトナムで。

ベトナム・ホーチミンにある『日系サムライボクシングジム』
ベトナム人ボクサーたちがプロの、世界の舞台で活躍するまでの
夢の道のりをブログでお伝えします!
皆様の応援が、彼らの力となります!宜しくお願いします!

ついに1週間におよぶホーチミンチャンピオンシップ最終日となりました。


サムライジムからは2人が出場しましたが、決勝まで残ったのはTuan選手のみとなりました。


69kg級、もともと優勝候補とされていた二人


Tuan VS Hai


実は去年はサムライジムのTuanがチャンピオンに、Haiは棄権のため準優勝となっています。


1年越しに、真のチャンピオンを決めましょう!



お互いにこの1年間でずいぶんと成長し、スタイルも変化してきています。



特に相手のHai選手はプロデビューし3戦無敗と勢いもあります。



対するTuanも2016年にホーチミンで開催された「日越プロボクシング交流戦」にてプロデビューしています。負けはしましたが、観客を釘付けにする激闘を演じた選手です!



アマチュア大会の決勝がプロボクサー同士の戦いとは何とも贅沢ですね♪



ウォーミングアップからかなり気合も入ってましたね。







そして今回我々のサポートについてくれたのは、何とベトナムのトップレベルで活躍しているSoi君。
(写真でTuanにグローブはめてくれてる子です)



彼の試合はレベル高すぎて会場が震えるほど盛り上がります。



たぶん、僕が現役ピーク時でもやられちゃうんじゃないかな?


対戦相手のHaiは本来は64kg級ですが、Soiが出場するとのことで69kgに上げてきたとの噂もちらほらと。



そんな彼、サポートに付いてくれるのは何とも心強いですが···



いつもセコンドで、すっごいうるさいもんで。



僕の指示はかき消されるんですよね···



普段は、笑顔がイケメンで礼儀正しくクールな子なんですが。




試合が近づくにつれ段々と緊張感もあがってきます。



しっかり汗もだしたとこで、いよいよ入場です。



リングイン前の最後のアドバイス


シンプルに


「あとは気持ちだぞ!見せてこい」




1R、お互いにジャブの差し合いから。


ジャブではやはりHaiのほうが一枚上手です。


なかなかTuanの距離を作らせてもらえませんね。


だんだん相手のリズムになりかけたとこでゴング。



インターバルで、簡単なアドバイスをと近づいたとこで···



リング下からよじ登るんじゃないかという勢いでSoiが怒涛の口撃ラッシュ···



興奮で早口すぎて呂律がまわってない。



Tuanもキョトン。



結局、インターバル中Soiがしゃべり続けてましたよ。笑



まぁ、Tuanもやるべきことはわかってるはずなので信じましょう!




2Rは少し攻撃の姿勢を強めるも、Haiの絶妙なアッパーが邪魔をしTuanのパンチは空を切る展開が増えてきた。



3R、最終ラウンド。


もう後は倒すしかないポイント差です。



相手は完全にリズムを掴み、コンビネーションをまとめては自分の距離に戻るという、なんともまぁ落ち着いたボクシングです。Hai、ほんと上手になりましたね。



クリーンヒットを次々と貰いながらも、気持ちを切らさず前に出続けるTuanも立派なもんです。






最後までうまくさばかれて、結局何もさせてもらえないまま判定負けでした。



Haiがこういう戦い方をしてくると想定できなかった僕の責任です。



Tuanにはほんと申し訳ない。



ちょっと悔しいですね。







う〜ん。



真ん中に立たせてあげたかった···






勝者がもらう金メダル

敗者がもらう銀メダル。



この差は果てしないですよね。




ただ、Tuanのこの1年間の努力は成長としてしっかりボクシングに現れています。



気持ちで負けず、諦めず何とか打開しようと前にでる。なかなか簡単なことではないですよ。



少し休んでまた頑張りましょう!



今回の大会はジムの会員さんも気にかけてくれてる方が多く、何人かは応援にも来てくれました!



心強かったです!本当にありがとうございました。



今回は結果を出すことができませんでしたが、彼には大舞台の話もいくつか浮上しています。



今後とも全力の彼をぜひ支えていただけたらなと思います!



最後の最後に夢を掴む、そんな彼の想いを信じ続けましょう!









ホーチミンチャンピオンシップ準決勝です。



3日目ともなると会場まで行くのが少々面倒くさくなってきます。



今日はTuanの準決勝!



初戦は不戦勝のため実質これが初戦になります。



試合間隔が少しあいてることもあり、少しナーバスになってるようですね。






でも、アップでしっかり汗出すと動きが戻ってきましたね。



彼もわりとカットしやすい選手なので、ワセリンを入念に。



Rubiの二の舞いはゴメンですからね!




1R、相手は身長の高い選手でリーチが長いためなかなか中に入ることができず、何とも静かな立ち上がりに。



アマチュアは3Rしかないので、あまり悠長なことしてるとポイント取りこぼしてしまう···



インターバルでの指示は、

1、もっとプレスかけて圧をあげていこう
2、ガードの上からでもいいから当てていこう

この2つだけ。








ガード固めて、前に前に。



プレスはずいぶん強くなりましたが、いかんせん手数が出ない···



しっかりガードしてるとはいえ、相手のほうが手数が多いため見た目が悪いんですよね。



たまのクリーンヒットの正確性はTuanのほうが上ですが···



結局はっきりした山場を作れず判定へ。




手数の相手か、クリーンヒットのTuanかといった展開に。




少し間が空いて、手が上がったのはTuan。



ヒヤヒヤな判定でしたが、何とか決勝進出です。



彼が控え室に戻るのにはついて行かず、そのまま決勝で当たるだろうHai選手の準決をチェックしました。



現在、彼はサムライジムを離れロシアのコーチのもとでトレーニングを積んでいます。


さすがの圧勝でしたね!



ほぼ左手一本で、ダウンまで取るおまけ付き。



新しいジムでは徹底的にディフェンスを教え込まれてるようで、返しのカウンターまでを作り上げてましたね。



終始落ち着いて試合の流れを読み、ここぞのタイミングで仕掛ける。



これは楽しみな決勝戦になりそうですね♪



試合後はこっちの陣地まで来て仲良く談笑。







元チームメイトですからね♪



明日はお互いにバチバチで打ち合おうぜ!と握手を交わしてのさよなら。



さぁ帰るか、とTuanの顔を見ると···



あれっ!まさかカットしてる!?



慌てて覗き込むと、






皮膚は全く無傷なのに眉毛だけ持ってかれてる。笑


こんなことあるんですね。笑


びっくりさせんなよと。



さてさて、

今日はちょっと100点満点とは言えないデキでしたが、明日は全力で応援してくれてる奥さんにカッコいいとこ見せようぜ!










ホーチミンチャンピオンシップ2日目です。



初戦、相手の無茶苦茶ボクシングに本領発揮できなかったRubi



今日こそ力を見せてやりましょう!



一回試合をしたことで力も抜け、リラックスした試合前。



いつものニコニコ笑顔は、今日はいけるとの確信を持てるほどで♪



前回の試合でできなかったことをしっかり確認して、ポイント絞ってやることやりきる最終ミーティング。



いざ、リングへ!




1R、相手も勝ち上がってきた選手だけあって好戦的でしたが、Rubiは身体をやわらかく動かすことでさばきながらパンチを当てていく。



正直、この時点でこの試合もらったぜ!感はセコンド陣に溢れてましたが···




ボクシングは何が起こるかわからないスポーツ。



2R序盤、Rubiの攻撃に頭を低くしてガードする相手選手。



一瞬、ゴンって嫌な音。



バッティングです。頭と頭がぶつかったんですね。



すぐにレフェリーが止めてドクターチェックに。



セコンドからは傷は見えなかったので、大丈夫かな?と思ったのですが、



ドクターと大会責任者に対して「頼むから止めないで。」と懇願するRubiの歪んだ悲痛な顔は傷の深さを物語ってました。



ドクターストップです。






リングを降りた彼は無言で荒れていました。



応急処置をするドクターの手をはねのけ、塞ぎ込んで。








傷ははっきり言って、僕でも速攻でストップかけるレベルにバッサリとカットしていました。



こればっかりはしょうがない···



カットによる試合ストップはボクサーにとって本当に悔しいものです。



勝った選手も負けた選手も納得行かない試合。


トレーナーやセコンド陣、応援してくれる仲間たち、みんなに申し訳なくて悔しくて。



いつもはニコニコ笑顔でさよならする彼が、無言で軽い会釈だけし、足早に会場をあとにしたときはさすがに何も声をかけれませんでした。




その日の夜中に「先生、ごめんなさい」と一言だけメールがきました。



彼がボクシングに転向し、サムライジムの門を叩いてから毎日、朝は6時からホーチミン強化チームの朝練に参加し、午後は2時から3時間も強化チームとのジムワーク、それが終わってからサムライジムに来て一緒に技術練習をこなしています。



こんな選手はまずいないです。



彼のボクシングに対する思いは尊敬に値します。



僕は彼を教え子として、サムライボクサーとして誇りに思いますよ。



まだ若いRubi。



未来は明るいはずです。
彼が笑ってリングを降りられるように、全力でサポートするのが僕の仕事。


また、明日からだね。




ちなみにサムライジムの長男坊Tuanの初戦は相手の棄権で不戦勝。



勝てないから試合しないなんてボクサーとしてどうなんでしょうね。



ちょっと納得いかないけど、明日の準決勝で暴れるだけですね!



さあ、悔しい涙を呑んだ後輩の分まで結果を出しましょう!



ついにホーチミンチャンピオンシップ!開幕です。




サムライジムからは2選手、Tuan選手とRubi選手が出場します!


開幕初日はRubiの試合。






彼は実はボクシング転向初戦になります。


デビュー戦!


緊張すっかなぁ~?


って思ってたら···


ガッチガチのカッチカチになっててなんか笑えた♪


まぁやることやってきたから大丈夫!



相手はキャリアの浅い選手で、どう転んでもRubiは負けちゃいけない相手。



1R


得意のちょこちょこジャブで相手の様子を見ながら距離をとる。



相手の選手は必死で飛び込んではコンビネーションを打ってくるんですが···



まさかの、



ワンツーからのローキック。笑



これにはさすがに会場大爆笑で。


そして拍手が巻き起こるというなんとも新喜劇な展開。



これでRubiも緊張が解けるなと思いきや、



相変わらずのガチガチ顔ですね。



さすがにここは笑えよ!と思いますが···



それからも頭ぶつけたり、投げ飛ばそうとしてきたり笑



さすがにRubiも一気に仕掛けに入りました。






が、結局詰めきれずの判定決着!



ではなく3R目でやっとこ相手の反則負け。笑



まぁまぁ、ボクシングは次戦からにしましょう。








さすがに試合が終わるとちょこっと笑顔♪



まずは一回戦突破!




久しぶりの試合会場だったもんで、ホーチミントップチームの子たちと懐かしの再会ができて。



なんかそれが一番嬉しかったな♪



なかでも、以前サムライジムでトレーニングしていて日本でもプロデビューしたHai






彼は69kg級でエントリーしていて、実はうちのTuanと同じなんです。



そして、決勝で二人がぶつかるのは間違いないと言われてます。



不思議な因縁で、去年のこの大会の決勝がTuanとHaiでした。



そのときはHaiが準決でこめかみをカットしたため棄権させました。(サムライジムの同門対決ってのも嫌なもんですしね)



だからこそ、Haiは今年こその思いが強い。



対するTuanもディフェンディングチャンピオンとしての意地があります!



とはいえ、今回は影の優勝候補ダークホースも何人かいるみたいなんで、まずは足元見てしっかり勝ち上がることが先決です!



明日はTuanの初戦!



最終調整はバッチリなんであとはやるだけ!






試合が近いというのに満足な実践練習がこなせない。


これも海外で活動するなかで大変なことの1つです。



繋がりのあるローカルジムや選手もいるにはいるんですが、いろいろとややこしいし、いろいろと面倒くさいし、いろいろと疲れる国なので。



ベトナムは。




そんななか、オープン当初からたくさんの情報を教えていただき、同じ格闘技ジムとして切磋琢磨している日系ジム『サンライズ・キック』さんの代表と選手の方が出稽古に来てくれることに!




大渋滞必至の4区まで、わざわざ来ていただき感謝しかありません。



この場をお借りして。



ほんまに助かります。
ありがとうございました!




さて、サムライボクサーたちは普段ガチのスパーはパートナー不足のため僕が相手したりしてますが、正直こんなロートルのおっさんとやりあっても練習になりません。




ので、今回の出稽古いつも以上に気合をいれ



1、この恵まれたチャンスに感謝し、絶対に意味のあるものにする

2、自分のやるべきテーマをはっきりとさせ、確かな感覚を掴むとこまでもっていく


これだけを事前に伝えていました。




まずは、サムライジム唯一のプロボクサーTuanから。






相手の選手と体重差もあることから、Tuanの目標は


・常時脱力の動きのなかで緩急をつける
・いつもと違うアウトボクシングの引き出しを増やす



を目標にやりました。



全然よくないけど、全然悪くない



といった感じ。



普段やらないアウトボクシングでバランスがいまいちですが、やりたいことが伝わるスパーとなったんじゃないかな?と。




続いて、未来のサムライスター候補Rubiの番。








彼は正直まだボクシングって呼べるほどの技術はなくて。



でも持ってるもの、身体能力に関しては目を見張るものがあるので期待の膨らむ選手です。



今回の目標はシンプルに



・リズムを止めない
・左手(リード)の使い方、パターン増



いつもピタッとリズムが止まってしまう彼も体を動かし続けてましたね。



そして左手もちょこちょこと何がしたいのか全くわかりませんが、言われたことを必死でやろうとする仕草だけで今は100点満点です!



ボクシングは相手にダメージを与えるために殴り合うスポーツ。



でも、終わりのゴングが鳴った瞬間に笑顔で抱き合い相手を称え敬意を払う。



その後は、大昔からの大親友のように仲良く笑い合う。



本気で殴り合った者同士だけがわかる何とも言えない温かい空気。




ボクシングってほんとに素敵ですね♪










こういう場を作ってくれた全ての関係者に感謝の気持ちを忘れず、



来週のホーチミンチャンピオンシップ!
2人揃ってゴールドメダル狙いますよ!