成功している経営者に経営の秘訣についてお話を聞く機会がありました。

 

その方にこう問われました。

「支払いは早く、受け取りは遅い方がいい。なぜだかわかるか?」

 

私は戸惑いました。

経営の教科書に書いてある事とは真逆だからです。。

 

経営本には普通こう書いてあります。

「契約をするときにはできるだけ支払いは遅くするようにしたほうがいい、そして受け取りはできるだけ早くするようにする、そうすれば資金繰りが楽になる。経営というのはいつ何が起きるかわからない。資金の余裕はあって越したことはない。」

 

経営の教科書的には「回収は早く、支払いは遅く」が鉄則です。

 

「いいか、支払いを遅くするように仕向けると経営が危ないのではないかと勘繰られる。相手の立場に立ってみろ。支払いの遅い会社と早い会社とならどちらと付き合いたいと思うか?早い方がいいに決まっている。支払いが早いと思われたら良い話が他所よりも先に持ってきてくれるようになる。その方が支払いサイトを長くするよりも何倍も良い。受け取りも同じだ。」

 

「請求書に月末とあったら2・3日早く振り込むようにする。受け取り側は振込締め切り日に『本当に振り込まれるだろうか?』と心配になるものだ。その心配をさせないだけでも相手に喜ばれる。これが『信用』だ。」

 

「相手の立場になれば簡単に分かることだがこれを実践している者は少ない。」

 

なるほど。

 

きっと支払いや回収以外でも取引先やお客様に同じような配慮をしているのでしょう。この方が成功している理由がおぼろげながら感じることができました。

 

そして「良い経営をするためには相手に配慮できる余裕が必要」という私への警句だったのだと思います。

 

ビジネス本や経営の教科書も大切ですが

実際に成功している経営者の生のお話に勝るものはないと感じた次第です。