毎月24日はお地蔵様の縁日。
2年前まで、
寒川町は一之宮の車地蔵も、
お堂を開き、厨子の戸を開け、御開帳されておりました。
1月16日・8月16日に御開帳があり、
この日は「十王図」の掛け軸を御堂内にかけるのだそうです。
「十王図」とは、地獄で亡者を裁く10人の王とその化身である仏を、その下部に地獄の苦相を描いたものです。十王は初七日から三回忌までの10回の忌日にそれぞれあてられています。
車地蔵堂に掛けられる「十王図」は、田端 生往寺が所蔵する、江戸時代終わりに描かれたものです。(寒川町史11より)
今回の御開帳にご尽力くださった本郷さんのお話では、
子どもの頃はよくこの「十王図」を見せられて、
描かれている地獄の様相に恐れおののきながらも、
なぜか見入ってしまったそうです。
しかし、長い年月続いてきた「講」も、高齢化や地域社会の変化から、その機能をお寺(田端 生往寺)にお返しして、約2年。
2体のお前立の石のお地蔵様に守られながら、車地蔵は厨子の中でひっそりと一之宮の地を見守られていました。
そして、タウンニュースさんの取材希望をきっかけに、元講の本郷さんご夫妻がご尽力くださり、7月24日に久方ぶりの御開帳となりました。
タウンニュースの取材が入りました。
お堂内部は掃き清められ、
たくさんのお花と、
ご家庭で収穫した新鮮なお野菜が、供えられています。
近所の方や、お子さんお孫さんたちが集まってみえて、
賑やかで和やかな御開帳となりました。
「三界は輪廻の如し」というご詠歌のとおり、
過去・現在・未来へと続く幸せが、
お地蔵さまにいつも見守られている…
そんなことを実感できるひとときでした。
お車(荷車)に乗り、
口をほころばせて
お笑いになっているお顔が
いつまでも忘れられません。
また、いつか、御開帳されますように。
地域の方々にやさしいお顔を見せてくださいますように。