もともとは葡語をたしなんでいたあてくし。初めてマカオに来たときは、まだポルトガルの一部でしたので、ちょっとポルトガルなところを期待していたのです。なにせ、日本に一番近いポルトガルだったわけですから。


確かに、看板とかお店、道の名前といった公的なものはポルトガル語。でも、ポルトガルな顔をした人も、ポルトガル語をしゃべっている人もいませんでした。いったい、このポルトガル語を読める人はどれだけいるんだろう?一体どんな人がリブラリーア・ポルトゲーザで本を買ったりするのか不思議でなりませんでした。


でも、今回の旅で、ポルトガル料理(もしくはマカオ料理)を食べ続けたら、そういうお店にはポルトガルな人たちが集まっていて、しかも今でも彼らの間ではポルトガル語でコミュニケーションがなされていることがわかりました。


例えば、グルメ通りとして知られる官也街の近く、たまたま店頭のガラスケースにあったケーキが美味しそうなのでふらりと立ち寄ったカフェ。店主はあきらかにあちらの顔。


店には二人の女性客がいて、広東語でおしゃべりしている。香港だと茶餐庁に入るところが、マカオではこんなオシャレなカフェだなんて、やっぱりマカオってちょっと違うなーと思っていたら。


そのうちの一人の女性が、今度は店主と流暢なポルトガル語で話し始めたのです。あきらかにネイティブな語り口。外見からはわからなかったけど、ポルトガル系なんですね。きっと。


他のポルトガル料理の店でもそういう人たちを何人か見ました。マカオにはポルトガルのコミュニティーがまだしっかりと存在しているんですね。


そのカフェでのエピソードが一つ。お会計のときに、伝票をみたら、"Cheese Cake"と"Bolo"の文字。"Bolo"とはポルトガル語で「ケーキ」の意味。私たちが食べたのはチーズケーキ1個だけなのに。思わず、"Que é este Bolo? Nos comemos un cheese cake só"(この"Bolo"ってなんですか?私たちはチーズケーキ1つ食べただけなんですけど。)とポルトガル語で言ってみたところ、あっ間違ってた、ごめんなさい、って英語で返された。キミはポルトガル語しゃべれるんだね、的な驚きもなく、あっさりスルー。

ここらへんでは、こういう顔した人が色んな言葉をしゃべるのが普通なのね、きっと。