第20回神戸新開地音楽祭 Day2  新開地ジャジーナイト 2022年5月8日(日) @湊川公園メインステージ 第20回神戸新開地音楽祭 Day2  Shinkaichi Jazzy Night 2022年5月8日(日) @湊川公園メインステージ 第20回神戸新開地音楽祭 Day2  Shinkaichi Jazzy Night@湊川公園メインステージ

 

5/8(日)は神戸・湊川公園へ第20回神戸新開地音楽祭を観に行きました。神戸市兵庫区の新開地エリアにて2001年から始まって毎年開催され、今年で20回目となる野外音楽イベントの5/7&8の二日間行われる2日目でした。一昨年、昨年とコロナ禍により中止となり3年ぶりの開催でした。町中で行われる9か所のステージのうち、湊川公園メインステージで2日目夕方に行われたShinkaichi Jazzy Nightを観ました。出演はThe Third Herd Orchestra, 米田あゆ・ビリージーン 2Alto Session, Yukino, 土岐英史トリビュートバンドでした。フィナーレには長年音楽祭の顔として出演し昨年他界した土岐英史氏の追悼パフォーマンスも行われました。
私的に土岐英史トリビュートバンドの各メンバーを個別にライブで観たことがある以外は初観覧で、土岐英史氏はジャズ界での活躍は知ってはいたものの、山下達郎バンドのメンバーとして観たことがあるだけでした。

Shinkaichi Blues Stageが終わった15時ごろ湊川公園へ到着すると、土岐英史氏の遺影が飾られたメインステージでは土岐英史トリビュートバンドのサウンドチェック中でした。その後、ビッグバンド編成のステージに舞台転換され、Shinkaichi Jazzy Nightへ。

15時半からはThe Third Herd Orchestra。同志社大学軽音楽部所属の18名編成のビッグバンドでした。ジャズ・フュージョンナンバーを2曲演奏。1曲目は「Change」。Kyeboardとアコギのイントロから、Horn sectionが加わってダイナミックな演奏になり、静かでリリカルなPianoソロやDistortionをかけたElectric guitarソロを交えた緩急のある演奏を繰り広げました。2曲目はElectro Deluxeの「Play」。Electric bassのファンキーなグルーブにのってPercussionやエレピのソロやHorn sectionの疾走感のある演奏を聴かせました。最後にメロウなHorn sectionによるアウトロのなか、Pianoの恵良弦季(えらげんき)がMCをして20分の演奏を締めくくりました。

16:07からは米田あゆ・ビリージーン 2Alto Session。米田あゆ、ビリージーンの2人の女性Alto saxによるユニットで、2人の師匠の土岐英史からの提案により2年前に結成されたとのこと。ライブごとにRhythm sectionは入れかわり、この日はPianoの杉山悟史、Wood bassの坂井美保、Drumsの弦牧潔とともに演奏しました。1曲目は米田あゆのオリジナル曲「Daytime City」。4ビートのリズムにのって、米田あゆ、ビリージーンの順でAlto saxソロを吹きました。栗色の髪の米田あゆは丸い感じの音で、金髪ベリーショートのビリージーンは強い感じの音でした。2曲目はビリージーンのオリジナルのバラード曲「Elephant」。ビリージーンが深いリバーブをかけた美しいソロ、米田あゆをリバーブが浅めな暖かい音でソロを吹いた後、ビリージーンの英語詞のVocalも聴かせました。最後の曲はCharlie Parkerのビバップ曲「Scrapple from the Apple」。バウンシーなビートにのって、2人は交互にAlso saxソロを吹き、PianoとDrumsもソロ演奏を聴かせました。

16:43からはYukino。2019年に神戸新開地ジャズヴォーカルクイーンコンテストで優勝しての出演でした。25年間夫婦デュオNY Squareとして活動するギターリストの夫Narioの伴奏で歌いました。アカペラ始まりでGershwinのナンバー「But Not For Me」を歌い、ガットGuitarソロやスキャットも聴かせました。次にコンテスト受賞曲の「Body And Soul」。確かな巻き舌の発音で、しっかりとした低音と伸びやかな高音の歌声を聴かせました。渡辺かづきの曲に英語の詞をつけたという「Troubadour(吟遊詩人)」を伸びやかなスキャットを交えて歌いました。Cole Porterの「It's All Right with Me」をアップテンポの演奏にのって強いハイノートのVocalを聴かせました。スローナンバー「God Bless the Child」を強く伸びやかに歌いました。最後にChick Coreaの曲にAl Jarreauが詞を付けた「Spain」を幅広い音域の声で歌い、Guitarソロやスキャットも交えて聴かせ、観客はリズムに合わせて手拍子をして盛り上がりました。

17時半からは土岐英史トリビュートバンド。メンバーはSaxの土岐英史氏と生前演奏を共にしてきたTrumpetの市原ひかり、Tenor saxの鈴木央紹、Guitarの荻原亮、Pianoの片倉真由子、Wood bassの佐藤ハチ恭彦、Drumsの奥平真吾でした。曲は土岐英史氏作曲のジャズナンバー。「C Minor」をTrumpet、Tenor sax、Guitar、Pianoが順にソロを演奏し、「Thunder Head」ではDrumsがTrumpet、Tenor saxとの掛け合いも聴かせました。土岐英史氏が市原ひかりのために書いた曲「Lady Traveler」を市原ひかりがFlugelhornに持ち替えて演奏。ナチュラルドライブをかけたセミアコGuitarのマイルドなサスティンの効いたソロやFlugelhornの柔らかい音色の美しいソロを聴かせました。「Picasso's Holiday」を速く流れるようなPianoソロやTenor saxとTrumpetの掛け合いのソロ、GuitarのほかDrumsソロも聴かせました。本編最後の曲は佐藤ハチ恭彦と奥平真吾の2人のために書いた「845(ハチシンゴ)」。コシの強いWood bassソロをフィーチャーして各メンバーのソロとともに聴かせました。

土岐英史トリビュートバンドの1時間の演奏を終えてメンバーがステージから下がると、土岐英史氏の生前録音された声が流れ、MCの小野ともこの影アナで土岐英史氏のプロフィール紹介。実行委員会の高四代委員長が挨拶をし、The Third Herd OrchestraのHorn sectionのメンバーがステージ後方の土岐英史氏の遺影に向かって追悼パフォーマンス。そして、米田あゆ・ビリージーンの2人の教え子と土岐英史トリビュートバンドが加わり、土岐英史氏の「MA-TA-NE!」を演奏。教え子やトリビュートバンドのメンバーのソロのほか、The Third Herd OrchestraからTenor saxとTromboneが代表でソロ演奏を繰り広げ、フィナーレとなりました。

土岐英史氏の遺影と共に各出演者が個性豊かな演奏を繰り広げたステージで、存分に堪能しました。

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第20回神戸新開地音楽祭 Day2  Shinkaichi Jazzy Night
2022.5.8(Sun)
@湊川公園メインステージ

MC ターザン山下, 小野ともこ

【プログラム】
The Third Herd Orchestra (15:35~15:55)
[メンバー] 平岡達基(アルトサックス) / 高津愛子(アルトサックス) / 石脇サンタ(テナーサックス) / 小島愛梨奈(バリトンサックス) / 玉置優里(トロンボーン) / 田中悠惟(トロンボーン) / 上野智聖(トロンボーン) / 齋藤さくら(トロンボーン) / 中村葉月(トランペット) / 廣原圭輝(トランペット) / 寺田龍之介(トランペット) / 天野美咲(トランペット) / 恵良弦季(ピアノ) / 鈴木新大(ギター) / 北村拓哉(ベース) / 巽幹(ドラムス) / Tappy(パーカッション) / 新一年生(テナーサックス)
[セットリスト] Change / Play(Electro Deluxe)

米田あゆ・ビリージーン 2Alto Session (16:07~16:35)
[メンバー] 米田あゆ(アルトサックス) / ビリージーン(アルトサックス) / 杉山悟史(ピアノ) / 坂井美保(ベース) / 弦牧潔(ドラムス)
[セットリスト]Daytime City / Elephant / Scrapple from the Apple

Yukino (16:43~17:21)
[メンバー] Yukino(ボーカル) / Nario(ギター)
[セットリスト] But Not For Me / Body And Soul / Troubadour(吟遊詩人) / It's All Right with Me(Cole Porter)/ God Bless the Child / Spain

土岐英史トリビュートバンド (17:32~18:31)
[メンバー] 市原ひかり(トランペット,フリューゲルホーン) / 鈴木央紹(テナーサックス) / 荻原亮(ギター) / 片倉真由子(ピアノ) / 佐藤ハチ恭彦(ベース) / 奥平真吾(ドラムス)
[セットリスト] C Minor / Thunder Head / Lady Traveler / Picasso's Holiday / 845

挨拶
実行委員会委員長 高四代

土岐英史 追悼パフォーマンス(18:34~18:48)
[メンバー] 米田あゆ(アルトサックス) / ビリージーン(アルトサックス) / 市原ひかり(トランペット) / 鈴木央紹(テナーサックス) / 荻原亮(ギター) / 片倉真由子(ピアノ) / 佐藤ハチ恭彦(ベース) / 奥平真吾(ドラムス) / The Third Herd Orchestraのテナーサックス&トロンボーン
[セットリスト] MA-TA-NE!

 

 

〖物販リンク〗

 ▽土岐英史 (2018/10/17リリース)