8/4(土)は芦屋市民センター ルナ・ホールへ、川井郁子 ヴァイオリンコンサート Luna in Lunaを観に行きました。川井郁子の最新Album『Luna』と同じ名前のホールで行われたコンサートでした。出演はViolinの川井郁子と、お馴染みのPiano伴奏者のフェビアン・レザ・パネでした。私的に川井郁子のコンサートは3年半ぶりの観覧でした。
会場の芦屋市民センター ルナ・ホールへは初めて来ました。阪神電鉄本線 芦屋駅またはJR神戸線芦屋駅から徒歩7分の芦屋川沿いにある座席数700席の市民ホールでした。
真昼の暑い日差しの下、芦屋駅から徒歩でホールに到着。開場時間の前でしたがロビー開場しており、クーラーが効いているロビーのソファーでしばしくつろぎました。
開場時間になり、客席フロアへ入場。私の席はステージに割と近い上手側の席でした。ステージ上にはグランドPianoが1台だけ置かれていました。
定刻15時になって客電が落ち、伴奏者のフェビアン・レザ・パネが登場してグランドPianoを弾きはじめました。そして明るいブルーのドレスを着た川井郁子がViolinを手に登場して演奏がスタート。コンサートは真ん中に20分の休憩を挟んだ2部構成で行われました。
第1部最初の曲はピアソラ作曲の「リベルタンゴ」。タンゴのリズムのPiano伴奏に乗って、川井郁子は足踏みも交えて小気味よいViolinを演奏しました。アンプを通さない、生楽器の音色がホールに響きました。
次は映画音楽メドレー。映画ヒロインをテーマに選曲したとのことで、ソフィア・ローレン主演の『ひまわり』、エリザベス・テーラー主演の『いそしぎ』、マリリン・モンロー主演の『お熱いのがお好き』、オードリー・ヘップバーン主演の『昼下がりの情事』をメドレーにして演奏しました。スローで美しいメロディーからリズミカルな演奏、軽やかな演奏まで聴かせました。
曲間のトークでは、ホール名と同じ自身の最新Albumについて語った他、フェビアン・レザ・パネとともに楽器に語りました。この日使用のグランドPianoはルナ・ホールがオープン時から所有しているハンブルク製Steinwayで、シリアルナンバーからして黄金期に作られた楽器のため音がいいとのこと。川井郁子の使用Violinも、黄金期の300年前に制作されたストラディバリウスの希少な楽器とのことでした。
ここで自身作曲のオリジナルを2曲演奏。「水百景」をみずみずしく弾き、最新Albumから「流浪の女」をゆったりとしたリズムの太いViolinの音色で演奏しました。
第1部終盤はジプシー音楽を3曲演奏。ブラームス作曲の「ハンガリー舞曲第5番」をタメと駆けるようなリズムを織り交ぜた緩急のある演奏でイマジネーション豊かに聴かせました。ロシア民謡の「黒い瞳」をスタッカートを交えた哀愁のあるViolinの音色で聴かせました。
第1部最後はモンティの「チャールダーシュ」。悩まし気なViolinの演奏から疾走感のある演奏まで、途中スローダウンしてハーモニックスを交えながらスリリングに演奏しました、
休憩を挟んで、川井郁子が真っ赤なロングドレスに衣裳替えして登場。第2部最初は愛にまつわる曲を3曲演奏。エルガー作曲の「愛の挨拶」を甘いメロディーで奏で、エディット・ピアフのシャンソン「愛の讃歌」をロマンチックな美しいメロディーで演奏しました。アルゼンチンの作曲家の曲にエディット・ピアフがフランス語詞を付けて歌いヒットした「群衆」を、駆けるようなPiano伴奏に乗ってViolinによるリズミカルな演奏から夢見心地なフレーズまで聴かせました。
会場にちなんで、芦屋出身のViolinistで作曲家 貴志康一(きし・こういち)氏の作曲した「月」を演奏。スローな和のメロディーとリズミカルなドイツクラシック音楽の融合した楽曲を彼の偉大な功績に想いを馳せながら演奏しました。
チャイコフスキーの「白鳥の湖」が原曲で川井郁子の編曲による「ホワイトレジェンド」を、フィギュアスケートの羽生結弦が使用しているVersionでPiano伴奏とともにドラマチックに演奏しました。曲間のトークで川井郁子は、羽生結弦本人からこの曲を東北復興への思いを込めて滑っている旨の手紙を貰ったことも語りました。
第2部終盤は、20世紀初期の古典タンゴのナンバーを2曲演奏。「エルチョクロ」ではスローなテンポから途中でテンポアップするPianoのタンゴのリズムに乗って哀愁のあるロマンチックなViolinを聴かせ、「ラ・クンパルシータ」では小気味よいリズムのPiano伴奏とともに艶やかな音色のViolinを聴かせました。
第2部最後の曲は、多くのフィギュアスケーターに使用される代表曲で最新Albumにも収録の「恋のアランフェス~レッド・ヴァイオリン」。ロドリーゴ作曲の「アランフェス協奏曲」第2楽章の有名なメロディーを川井郁子が編曲したナンバーで、スパニッシュなPianoのリズムに乗って伸びやかなViolinの艶やかな音色を聴かせました。
観客の拍手に応えて、Encoreはこの季節にちなんだ曲を演奏。ヴィバルディ作曲の『四季』から「夏」をリズミカルなPiano伴奏に乗って、速いViolinの熱い演奏で聴かせました。最後に、日本の唱歌「浜辺の歌」を演奏。みずみずしいPiano伴奏に乗せて、ソフトで伸びやかなViolinによる郷愁を誘うメロディーを聴かせました。
万雷の拍手に出演者の2人はカーテンコールで応え、約2時間のコンサートを締めくくりました。
アコースティックな演奏によりイマジネーション豊かな音楽を聴かせてくれたコンサートで、存分に堪能しました。
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川井郁子 ヴァイオリンコンサート Luna in Luna
2018.8.4(Sat)
@芦屋市民センター ルナ・ホール
【出演】
川井郁子 Violin
フェビアン・レザ・パネ Piano
【プログラム】
=第1部=
リベルタンゴ /ピアソラ
映画音楽メドレー:ひまわり~いそしぎ~お熱いのがお好き~昼下がりの情事
水百景 /川井郁子
流浪の女 /川井郁子
ハンガリー舞曲第5番 /ブラームス
黒い瞳 /ロシア民謡
チャールダーシュ /モンティ
-Intermission-
=第2部=
愛の挨拶 /エルガー
愛の讃歌 /モノー
群衆 /ガブラル
月 /貴志康一
ホワイトレジェンド~「白鳥の湖」より~ /チャイコフスキー(編曲 川井郁子)
エルチョクロ /ビジョルド
ラ・クンパルシータ /ロドリゲス
恋のアランフェス~レッド・ヴァイオリン~ /ロドリーゴ(編曲 川井郁子)
=Encore=
夏~「四季」より~ /ヴィバルディ
浜辺の歌 /成田為三
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