小満(しょうまん)
紅花栄(べにばなさかう)





おはよう、

こんにちは、

こんばんは。





幼い頃、


「かあさんの歌」を聞く度に、


“うちのお母さんとは違うな。”と


いつも思った。






さむ母は、自分が感じる


寒さや冷たさには敏感だったけど、


子どもの寒さや冷たさには、


無頓着な人だったし、






口はよく動いていたけど、


体を動かすことは嫌いで、


家の中で始終ゴロゴロしていて、






外で働いてくる父に対しては、


暴言を吐くこと度々で、


それが派手な夫婦喧嘩に繋がった。






さむは、王子のことを


心配したり、成長を喜んだり、


好物のおかずを作ってみたりするけれど、


そういうことは、一切無い人だった。






お金についても、


弟には言われるままに渡したが、


さむには出し渋りで、


分かりやすい差をつけた。






心理学的に言えば、


母とさむの間には、残念ながら、


愛着関係が無かったのだ。






そんな生育歴のせいか、


「母」という字がつく題名の本が、


いつも氣になり、必ず読む。






今回読んだ本は、


「母をさがす


〜GIベビー、ベルさんの戦後〜」


(岡部えつ著)






ベルさんは、


米兵と日本人女性の間に生まれた


GIベビーだ。






生後2年で、


児童養護施設に預けられ、


「よい子にしてたら、迎えに来る。」


と言った母親とは、


その後、一度も会っていない。






それでも、自分には、


戸籍があり、名前があることは、


母に感謝している、幸せだと言う。






ただ、彼女の心の不安定さ、


他人に向けられる筋の通らない怒り、


巨大な猜疑心は、結局のところ、


母親に向けられたものではないか!?






「感謝している。」「大好き。」


と言いながらも、それとは、


裏腹な本人も認めたくない本音。






なんとも切ないけれど、


とにかく、ベルさんが生き抜いたことは、


それだけで素晴らしい。






結局、ベルさんのお母さんは他界して、


会うことは叶わなかったが、


最後は、ハッピーエンドで終わった。






色々あった、さむの人生も、


「終わり良ければ、全て良し。」の


ハッピーエンドで終わると信じて。






それでは、また。


チャオ!