「この世界の片隅で」を鑑賞してきました。
とても素晴らしく、とても考えさせられることの多い作品でした。
唯一、主人公の性格(マイペースすぎてて共感しづらい)と声(表現力はすごく良かったけど、キャラクターとの違和感)だけは個人的に微妙だったけれど、優しい色と曲線が印象的な絵は勿論、サブキャラクターや内容そのものは魅力がたっぷり詰まっており観る価値のある作品でした。
時代の”現実”があって、そこから逃げない強さと逃げられない弱さがあって、戦争・原爆時代の重いテーマ。
なんだけど、普通に暮らす人たちの生きる姿が繊細に温かく描かれていて、ずしりと胸に突き刺さるんじゃなくて、すとんと心に落ち着くけれどしっかりと説得力のある内容。
エンドロールまでしっかりと観て思ったのは、細部までこだわり抜いた作り手の想いが表現された愛すべき作品だったということ。
要所に愛情と夢がちりばめられている。戻らなかった兄の話や座敷童の話。”普通”の中にある”普通じゃない”がとても新鮮でとても愛おしい感じがすごくいい。
アニメという枠を越えて尊い作品だと思ったし、多くの人に観て欲しい作品でした。今年最初に観た映画がこれで良かったな、と思います。