(ネタバレ?注意)

解釈が人によって異なりそうな詩的で哲学的で、アートな世界観。
台詞なしで難しいと聞いてたけど、一瞬とも無駄なシーンのない良い映画 でした。
まさかのラスト30秒で涙が出ました。(´;ω;`)
男に恋をした亀の無償の愛の話なのか
男の現実と妄想、死と生の物語なのか
正解は分からないしないのかもしれないけど、私はラスト30秒で、前者だと思いました。
島に漂流した男が筏で脱出を試みるのに何度も邪魔をしたのは、無謀な脱出だと分かって命を救った。
邪魔をされたことに腹を立てた男に一度は命を奪われた亀が、自らの行いを悔いて悲しむ男の優しさで奇跡を起こし、人間の女になった。ファンタジックだけどファンタジー感を消した無償の愛の象徴。
そう考えるとラストに繋がる。
息子と亀が共鳴する理由もそこでしょうね。助けに出たのかと思ったけど、海が生きる場所だと悟ったのかも。
ただ、一枚しかないボロボロの服が綺麗になったり、息子のズボンはどうやって手に入れたの?とか、そういう細かい部分を見ると後者の妄想説が捨てきれなくなります。でも妄想なら津波なんて起こさせるかな?
解釈は抜きにして、トータルして命の尊さ、儚さ。自然の優しさ、厳しさ、壮大さ、神秘さ。己の豪で何かを傷つけることの悲しさ、かけがえのないもの。
伝わってきたことは沢山あります。
賛否両論の否の理由は特に見つからなかったです。異色だけどすばらしい作品でした。