シェフっていうのは大概気難しいタイプが多い、映画を観るとそう感じることがほとんどです。
二ツ星のシェフが問題を起こして一度は立場を剥奪されるけれど、三ツ星を目指して再び前へ進んでいく過程で、その主人公のアダムは「本当どうしようもない男だ」と感じるシーンが多々あります。かつての代償として人間関係や世間の信用、金銭問題がふりかかるけど、それは自業自得でしょ、と思わず納得してしまいます。
だけど、そんな彼がものすごく格好よくて素敵なんです。それは料理に対しては熱意も自信も努力も誰にも負けない芯のある人間だからだと思います。
チームワークの悪さを怒鳴り散らすときも、態度とは裏腹に「俺のせいだ」と言っていて、言われたみんなからすれば逆に責められているようなプレッシャーがあったと思うけど、あながちアダムの本心だったのかも。
物語が進むにつれて、彼の人間としての良い部分がどんどん見えてきます。表情も優しくなってくるし、弱さも見せ始めます。
映画のキャッチコピー
゛本当の最高は、ひとりじゃできない゛
が最後にピシャリとはまって気持ちよく見終えることができました。