すごく前向きになれる映画でした。
年齢も境遇も違う人たちがたくさん通う大学のキャンパスってすごく魅力的な場所だなって感じました。
コミュニティ・カレッジは懐の深いアメリカの環境をよくあらわしている気がするし、日本ではこうもいかないから、より羨ましいなぁ。自分が何かに上昇志向を抱いた時、こういったシステムの大学に私も通ってみたいし、様々な人たちの中で学ぶことによって、人生がもっともっと豊かになるように思います。
昔から人生の再スタートを語る映画が好きです。
今回はよくある堕落した主人公の再起というわけではなかったです。
リストラを機に、大学に通い始めたラリー(トム・ハンクス)。リストラっていうと後ろ向きなイメージがあるけれど、ラリーは不安と闘う中にも明るさと前向きさを忘れていなかったし、何より人柄がすごく素敵でした。
少し口は悪いけど、茶化しながらも親身に相談にのってくれる近所のラマーや、大学初日「スクーター仲間」に誘ってくれたタリアと彼女の仲間たち、個性豊かなスピーチのクラスメイト・・・・
人間関係には恵まれていました。誰もリストラで彼をからかう人間はここにはいません。
家ではしっかりと経済のテキストを読み、スクーター仲間たちとも初めて味わうであろう若さに満ちた充実した時間を過ごして・・・・そんな中レストランの厨房での仕事ももらう・・・前向きに頑張っている人間にチャンスは訪れるってことがなんだか納得できた気がしましたね。
結婚生活に限界を感じ、人生に行き詰る大学教師テイノー(ジュリア・ロバーツ)は、言うなれば視聴者の代弁者でもあったように感じます。ラリーみたいな人が周りにいたら、もう少し視界が開けて見えるんじゃないかって本当にそう思ったし、彼女がラリーに惹かれていった理由もわかります。
同じように、ラリーが彼女に惹かれた理由も分かるような気がします。テイノーは酔うと弱さをこぼすけれど、どんな時も自分の気持ちに正直でハッキリとものをいう女性。彼はきっと本音をぶつける彼女の潔さとたまにみせる弱い一面に惹かれたんでしょう。
「再出発」を決心するのは勇気がいります。
ラリーは大学に通うことを決めた
テイノーは夫との関係をリセットした
タリアは大学を辞めて自分の店を持った
この作品は新しく何かを始めようとしている人たち、迷っている人たちへのささやかな道標。
幸せへの大きな一歩がこの作品には込められているんじゃないかと思いました。
相変わらず大人の男性のカワイイ魅力を見せてくれたトム・ハンクス。
大きな口で作りだす表情の魅力の虜にさせてくれるジュリア・ロバーツ。
大好きな二大映画スターの見せてくれた素敵な作品でした。
そして監督・脚本・主演・・・・トム・ハンクスらしい一本になったのかなって思います。