映画館に着く寸前まで「マネーゲーム」か「コンテイジョン」か悩んでいたのに観たのはすっかり忘れていた「インモータルズ」。
あらすじ(以下抜粋)
人間が誕生する遥か昔、“光”と“闇”の神々の戦争が起きた。戦いは光の神が勝利し、闇の神は奈落の奥底に封印された。時は流れ、古代ギリシアの時代。闇
の力を手に入れ、世界を支配しようと野望を抱くハイペリオンが人類に対し宣戦布告。光の神が造った武器の一つであり、闇の神を解放す
るための重要なカギ“エピロスの弓”を捜し求めるハイペリオンは、軍隊を結集してギリシアの地を侵攻していく。弓がハイペリオンの手に落ちれば闇の神は復
活し、人類の破滅も免れない。ハイペリオンの野望を阻止すべく、光の神の頂点に立つゼウスが選び出したのは、自らが鍛え上げた人
間、テセウスだった……。
今までタイタン族やギリシア軍、神々の世界をベースに描いた作品に何度か触れてきたけれど、この作品はいい意味でも悪い意味でも芸術的でした。
私はバイオレンスなシーンが本当に苦手なので、前半のとあるシーンで思わず耳を塞いでしまいました・・・・。恐いシーンは直視できません・・・・。ただ、ハイぺリオンが見せる人情の欠片もない血みどろの展開は残虐そのものでしたが、恐怖の中にも強烈な印象を残してくれる作品の要になっていたようにも思えます。それゆえ、最後まで全く気が抜けず常に緊張感と緊迫感を持ち続けて観れる作品でした。
そしてなんといっても、その映像美に驚かされました。私は2Dで観たけれど3Dだったらきっともっと壮大で神々しかったり禍々しかったりしたんだと思います。兵士たちの戦闘シーンや、神の闘いっぷりはスピード感や音の迫力がまさにエンターテイメントのようで興奮しました。
テセウスは主人公にしては存在感がちょっと足りなかったけれど、彼のその無鉄砲さが私を(ハイぺリオンという役への)恐怖から救っていたような気がします。ゼウスはちょっとずるいな・・・圧倒的な力と名誉を持っているのに、どこか判断の一貫性に疑問を感じたりしました。だけどやっぱりいいところで登場して格好良く闘って画面から去っていく・・・・しかし神も人間のように生と信念と情を持っている様子に"神は万能ではないんだ"って思わされて感慨深かったです。色々な面を合わせてこの作品は上手く調和しているのかも。
思っていたよりもずっと重圧感があり、難しいようで簡単、簡単なようで難しい・・・・そんな多面性のある作品でした。観終わってどっと疲れた感覚は嫌いじゃないです。