ファイザー社に次いで米モデルナ社が新型コロナワクチンを開発し、老舎のワクチンの比較を日刊ゲンダイでコメントしました。

 

 「えっ、またワクチン?」とビックリした人もいるだろう。米国のモデルナ社が16日、開発中の新型コロナワクチンが最終治験で94・5%の有効性が得られたと発表した。

 コロナのワクチンといえば、1週間前に米ファイザー社が有効性90%の成功を発表したばかり。そこに新たなワクチンの登場だ。

 モデルナもファイザーも「mRNA」という成分を使う点では原理は同じだが、保存方法が大きく違う。ファイザーのワクチンはセ氏マイナス70度以下の超冷凍で保存しなければならないというネックがあったが、モデルナはマイナス20度で済む。しかもファイザーは2~8度の冷蔵庫での保存期間が5日間が限度だったが、モデルナは30日間と6倍の長さだ。

「モデルナのワクチンは画期的といえます」と言うのはハーバード大学院卒で医学博士・作家の左門新氏(元WHO専門委員)だ。

「マイナス20度というのは家庭用冷蔵庫の冷凍室の温度と同じです。マイナス70度の超冷凍保存ができるフリーザーは大学の研究室などの限られたところにしかありませんが、冷凍室付きの冷蔵庫はどこにでもある。つまりモデルナのワクチンは保存と輸送が簡単になった上に保存期間が伸びて、大幅に使い勝手が良くなったわけです。凍ったワクチンを冷蔵室に移し、1日もあれば液体に戻して注射することができます」

 mRNAは唾液などにもある酵素で簡単に分解される脆弱な物質。だから酵素の働きが弱まるマイナス70度での超冷凍保存が必要だ。

 一方、こうした酵素の動きを制御する薬品も開発されている。この種の薬品を使えば、超冷凍でなくてもmRNAの効力維持が可能だ。「モデルナはこの種の薬品を使ったのかもしれない」と左門氏は推測する。

「ただし、モデルナが治験した人数はまだ3万人です。ワクチンは100万人に投与して数人に重い副障害が出ることもあります。この点から同社のワクチンの安全性はまだ未知数といえるでしょう」(左門新氏)

 とはいえ家庭用冷蔵庫でも保存可能とは大きな進化。たった1週間で大きな光明が見えてきた。

ファイザー社がワクチン開発に成功し、近々認可申請するという。以下「日刊ゲンダイ」の記事での湖面とを掲載します。参考になれば幸いです。

 

 米製薬大手ファイザー社が開発した新型コロナウイルスのワクチンが話題だ。

90%の有効性」との触れ込みで、日本政府は来年6月までに6000人分(1億2000万回)の供給を受けることで同社と合意した。

 第3波への懸念が高まる中、救世主のように出現したワクチンだが、普及には重大な課題もある。セ氏マイナス70度以下の「超低温」で保存しなければならないのだ。

「通常、これまでのワクチンは冷凍保存はしません」と言うのは、ハーバード大学院卒で医学博士・作家の左門新氏(元WHO専門委員)だ。こう続ける。

「冷凍すると、変質してしまうというのが医学界の常識です。だから大学などの研究室に冷凍庫はあっても、病院には患者に注射するワクチンを保存する冷凍庫はありません。ファイザー社のワクチンは注射の際、冷蔵庫の中で解凍することになるはず。取り扱うハードルが高い特殊なワクチンと言えるでしょう」

 ファイザー社によると、冷蔵庫(2~8度)の保存期限は5日間。それまではマイナス70度以下の環境が必要だ。この程度の超低温を保つフリーザーを作っている会社は日本にも数社ある。そのひとつが大阪市の「フクシマガリレイ」だ。医療理化学機器として超低温フリーザーを7種類製造。価格は125万から。最高額230万円の製品は内容量717㍑だ。

「4、5年前に開発し、主に大学や製薬会社の研究室に納入しています。マイナス85度までの超低温が可能です」(同社経営企画グループ長の高田芳博氏)

 左門氏によると、ワクチンは開発後数年間はライセンス生産の形を取らないため、国内の製薬会社が製造する可能性は低い。ファイザー社から飛行機などで運ぶことになるが、前出の高田氏は「弊社のフリーザーを使えば、超低温でワクチンを空輸することができると思います」という。

 韓国では9月に低温保管に失敗したインフルエンザワクチンを324人に誤って接種する事件が起きた。幸い、異常反応などの被害は出なかったが、ワクチンの扱いには細心の注意が必要だ。

「保存方法を誤ると、予防効果がかなり低下するか、発熱などの副反応が増えることがある。ただ、ファイザー社が言う『マイナス70度』は大げさな数字かもしれません。『マイナス50度だと効果を保証しません』という程度で、実際は20度くらいの違いでは遜色ないかもしれませんね」(左門新氏)

 とはいえ、数多くの超低温フリーザーが必要になるのは事実。これからメーカーは大忙しだ。