グエムル 漢江の怪物  家族の団結は勝利なのか | 星空シアター

グエムル 漢江の怪物  家族の団結は勝利なのか

guemuru


◆ユナイテッドシネマ長崎にて鑑賞。ドルビーサラウンドEX。


◆「殺人の追憶」のポン・ジュノ監督,ソン・ガンホ兄貴コンビによる,モンスター映画。


◆モンスターの形状は,「パトレイバー3 廃棄物13号」に酷似。大きな影響を受けてたものと考えられる。日本のアニメはやはりすごい。

◆「廃棄物13号」が母の歪んだ愛が実体化したのに対し,「グエムル」では人間の身勝手さが生み出した怪物に,ある家族が孤独な闘いを挑んでいく。家族の団結が感動を呼ぶ。どちらも家族の愛が描かれているわけだが,視点が全然違うので映画の印象は全く違うといっていい。

◆また,「廃棄物13号」が暗く陰鬱な物語なのに対し,ポン・ジュノの感性は,怪物映画でたくさん死ぬのに,くすりと笑わせる演出が,映画を不思議な雰囲気に彩る。

◆キャストがいい。ソン・ガンホ兄貴は当然のごとき自然体のすばらしさ,素晴らしいのが家長役のビョン・ヒボン。息子の馬鹿さを真剣に語る場面のおもしろみなど映画を奥深くする。「リンダ リンダ リンダ」のペ・ドゥナも役になりきる。怪物にさらわれるヒョンソ役のコ・アソンがまたいい。少女らしい笑顔と少年を救おうとする場面では母の強さを見せ,まさに女優である。

◆パニック時の個人を無視したおバカな政府とよその国のことに,平気で介入してくる某大国への皮肉を背景に一家族の団結した闘いだけが,怪物を滅ぼすそのカタルシス。ところが,結末が家族が万々歳にならないところがこれまた印象的だ。久しぶりに満足行く映画に出会う喜びよ。


◆エンドタイトルの終わりに音のサービスがあるので,最後まで席を立たないように。