阿弥陀堂だより 四季は人生の如し
◆BSジャパンをHDDレコーダーに録画して視聴。◆都会の便利さはすばらしい。それに慣れ,あまりにそれにまみれてしまっている私たちは,利便性と引き替えに何か大切なものを失っていっているのではないか。そんなことを考えさせてくれる作品である。
◆小説家の夫と医師の妻。都会に疲れたこの夫婦が,信濃の田舎で,その自然やそこで暮らす人々と交わる中で,徐々に癒され,本来の人間を取り戻していく。
◆中でも北林谷栄の演ずる「ウメ」の軽妙な演技はすばらしく,本来の人間のもつユーモア,明るさを見事に表現している。
◆田村高広演ずる「先生」は,寿命を知り,紅葉の季節に多くの村人に看取られて静かに逝く。夕日が頭上より差し込みあたかも天上に登る魂の道のようである。実に美しく気高い場面であった。そして,阿弥陀堂に一枚の板が増える。
◆逝く命あれば,生まれくる命がある。呼吸器系の持病を持つ妻は,癒され,愛される中で43歳にして初めての赤ん坊を身ごもる。
◆終末,小説家は原稿用紙にペンを走らせる。「春,夏,秋,冬,四季は人の一生に似ている」納得し,心に染みいる言葉である。そしてこの映画のテーマである。いい映画だった。

タイトル: 阿弥陀堂だより 特別版