グッバイ レーニン あふれる母への愛
◆DVDにて観賞。◆共産主義は敗北した。これは一つの事実である。この映画を見終わって、共産主義を理想とし、それを誇りとしている人がいるということに気付かされる。我ら資本主義の国の人間からすれば、東欧というと、電気節約で町はいつも暗く、店には品物が少なく、国民も苦しく不便な生活をよぎなくされているという印象がある。しかし、その国の人の心情は本当は全くわからないのである。
◆主人公のアレックスは、東西ドイツの統合・自由化が、母親にショックをあたえると勝手に思いこみ、古い東欧の世界を母の周りだけに維持しようとする姿がこっけいである。周りもそれに加担して、母親本人の思いとは別に、右往左往するおもしろさを描いている。
◆印象的な場面は,アレックスが寝ている間に,母親が外へ出て行き,周りの変化に何かを感じながら,決定打として,撤廃されるレーニン像(へりで空輸されている)が最後の救いを求めるように,あるいは別れを告げるように,手をさしのべ,そして去っていくところである。ララから真実を告げられる以前に,このとき母はすべてを悟ったのかもしれない。
◆共産主義国の人々の素朴で誇り高いすばらしさ,そして何より息子の尽きせぬ母への愛をコミカルに描いたほほえましい作品であり,さわやかさと発見のある映画である。
◆評価☆☆☆☆