コールドマウンテンー純愛ロードムービー | 星空シアター

コールドマウンテンー純愛ロードムービー

■かなりとうがたってきたものの、まだまだ美しい二コール・キッドマンとジュード・ロウの,南北戦争によって引き裂かれる純愛のドラマである。最近は何と言っても純愛ブームである。

■同時に,軍隊を脱走してまでもコールドマウンテンへの帰路を急ぐ,ジュードロウに幾つかのエピソードが絡む,いわばロードムービーでもある。中でも印象深いエピソードは,ナタリー・ポートマンの寡婦とその赤ん坊の話である。戦争の悲惨さを心に強く刻むエピソードだ。夜の寂しさに耐えられず,横に寝てくれと頼むナタリーの涙は,かつて太平洋戦争時に日本にも多くいたであろう寡婦の悲しみを訴えてくる。赤ん坊に情けをかけようとした北軍兵を,ライフルで撃つナタリーのすごみと皮肉は戦争の場面では数限りなくあったことであろう。人はなぜ戦争をしてしまうのだろうか。神がいるならなぜ,このような試練を与えるのか。繰り返し繰り返し。

■この映画に活力を加えるのが,レニー・ゼギルガーである。粗野だが人間味あふれ,いきる知恵を備えたキャラはこの暗くなりそうな映画を明るく照らす太陽である。彼女がお嬢様だったニコールを変えていく。レニーの存在はニコールにとってどれだけ幸せであったことか。映画「マレーナ」の場合は一人残されたマレーナに生き抜くための道は,女であることを利用するしかないという悲しい結論であったことを思い起こさせた。「マレーナ」に比すればニコールは幸せである。

■そして,レニーの父のフィドル(バイオリン)弾きは,音楽のすばらしさを知らしめてくれるキャラだ。私だって,兵士になるより演奏家になる道を選ぶ。人を殺す仕事と人を癒し,喜ばせる仕事のどちらを偉ぶってそれは決まってる。

■自然の美しさ,純愛のすばらしさ,戦争の悲しさ,それらのテーマが分かりやすく示され,印象深い作品である。

■評価☆☆☆☆(満点は☆5つ)