チャングムの誓い 第8話 お針子の愛 | 星空シアター

チャングムの誓い 第8話 お針子の愛

◆宮廷に戻ったチャングムを待ち受けていたのは,料理試験。ここでの迫りくる試練と,それを笑顔と工夫で乗り切ろうとするチャングムの姿が共感を呼ぶ。

◆また,今回印象的なのが,サイドストーリーとしての,お針子の母への愛である。料理試験の貴重な食材である小麦粉が無くなる。意地悪なライバルの仕業かと思いきや,犯人は意外にも,同室した16歳のお針子であった。引退し尼寺へ行く母に,「饅頭汁」を食べさせたいとの思いから小麦粉を盗んだのだった。その母は何と,今回の料理試験の出題者でもあるノサンゴン。官吏の追求に,「明国からの客に狼藉をはたらかれた折に身ごもった子供」であることをノサンゴンは素直に話す。逃げ隠れしない潔さがある。

◆いわば隠し子である娘の最後の孝行である「饅頭汁」作りを,チャングムは何と一緒に手伝ってやる。皇帝の所有物である宮廷女官が犯してはならぬ出産と養育をこれまで隠し抜いてきたノサンゴンとその娘に,宮廷料理人であった母と自分の関係をチャングムは重ね合わせたのであろう。チャングムの寛容と生い立ちの悲しみが胸を打つ。ノサンゴンのこれまでの人生を思うと,やるせなく,宮中女性の悲しみが,娘の「饅頭汁」に箸を付けたときのノサンゴンの涙で見事に表現されている。このようなサイドストーリーが見事なのも,チャングムの誓いの脚本のすばらしさである。