日本一の団子、再び | 森の隠れ家Note

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田舎暮し20年...都会の良さも愛しつつ、森に囲まれた隣家が一軒も見えない隠れ家彩雲荘からのんびり生活を発信します。


行列のできる店、行かない派です。ペレストロイカ前のロシアじゃあるまいし並びません。




吉祥寺にいた頃も小笹の羊羹、並んだ事ありませぬ(超有名店なんですけど)。













昔は「待たされる店」と言ったら「鰻屋」というのが相場でした。




これは判るのです。




「ちょいと前まではなあ、ウナギなんてえ物は一年に一度か二度、ご近所中にわあわあ大騒ぎしながら食べるものだったんでえベラボーめ」と、落語風に言うとこうなります。








そりゃあそうです。ウナギの蒲焼きはファストフードの対極にある食べ物なんですから、注文を受けてから裂いて串を打って焼いて蒸して、また焼いて(関東風だとこうです)...これだけの手間がかかるんですから、頼んでから一時間やそこら待たされるのは当たり前でした。





それに安価な養殖物もありませんでしたしね。






それはいいんです。名古屋のひつまぶしが待たされるのも納得なんです。







でも、「旨い店」と言われるからという理由だけで行列ができちゃう...出来るのは良いんです。

でも私は個人的に並びません。並んでいなかったら入ってみるかも知れないけれど。





だって行列ができている=旨い店=いい店とは限らないじゃないですか。







そんな「日陰育ちのひねくれ者」(傷だらけの人生より)の私ですが、昨日は少し待つのが平気でした。





ハイ、ここまで長い前振りになってしまいましてごめんなさい。





久しぶりに行きました。伊那市にある個人的に「日本一旨い」と思っている団子屋さん、
和菓子處にしお






カミさんにお土産として...と言いながら自分も半分食べるのですが...持ち帰りに6本

店内で食べるのに、2本








相変わらずの清潔な無愛想さに満ちた静かな店内


小さなテーブルには二人の先客が待っていました。






「注文いいですか?」

「お待ちくださーい」

「.....」先客の注文が上がるまで次の注文は受け付けません。







黙って待つ事しばし。








「お待たせしましたー」ようやくこちらの注文を受けてくれる時が来ました。



「胡麻と、きな粉とあんこを2本ずつ、持ち帰りで、あと、みたらしと胡麻を1本ずつここで食べて行きます」




あまり愛想のない店主さんが、ごくわずかに頬を緩めたように見えたのは気のせいでしょうか。

「はい、持ち帰りが6本でこちらでお召し上がりが2本ですね」








ここから焼き始めます。作り置きは一切ありません。

鰻屋ほどではないけれど、今時なかなか珍しくないでしょうか?









小さなイートインスペースには小さなテーブルとベンチ。ボタン一つで飲めるお茶のサービスがあります。





可愛らしい紙コップでお茶をすすりつつ待っていると次のお客が来ました。

何もかもわきまえた御婦人二人。何も仰らず静かな態度でお待ちになります。






10分弱、待った頃


「はい、みたらしと胡麻です、お待ちどうさま」


漆器風のお皿に見えなくもない、プラスティックにしては品のいいお皿に載せられた待望の団子です。





表面の0.2ミリ程だけがカリッと香ばしく焼き上がり、中はアツアツ、ふわんとした極上のコメ粉の風味です。




みたらしの餡がまだ染み込む前のわずかな間しか保てないこのカリッとした食感、これは直ちに食べる事でしか味わえませぬ。






「.....!!」(旨いっ、の声を飲み込みます)




待っているご婦人方がチラリと観るのが判ります。





無心に食べます。






しばらくしてもう一度店主の声がしました。

「はいっ、お持ち帰り分6本です」



「は、はいー」ちょっと間抜けに返事しながら会計して、再びテーブルへ。




2本のアツアツを心の中で唸りながら食べ終え、あとは冷めないうちに、とアタフタと店を出て家路を急ぐのでした。






「またこんなに買って来て。私は2本あれば十分だよ」

「いいんだよ自分で食べるんだから」





とか言いながら、本当に美味しい物は、無敵です。