本田の「記憶されたい術語」からは外れますが、爻に関するさらなる情報がありますので、確認しておきましょう。

 

各爻の呼び方
卦における爻は、下から初、二……となっていましたが、「爻辞」においては、位と陰陽を漢字二文字からなる一語で表記します(p.9)。先に一覧を示しておきましょう。
 
 
陰陽の気が形体を備えると柔や剛と言い換えられましたが、「爻辞」では陽・剛を「九」、陰・柔を「六」と呼びます。例えば、上爻が陽だと「上九」、初爻が陰だと「初六」です。
 
ただ、位が先、陰陽が後となるのは、上爻と初爻のみで、残りは順序が逆となります。例えば、四爻が陽だと「九四」、三爻が陰だと「六三」と言います。
 
九や六が使われる理由を本田は解説していませんが、当方が知る限りでは、
  • 5までの数字で考える
    • 奇数の和1+3+5=9より、九は陽の代名詞
    • 偶数の和2+4=6より、六は陰の代名詞
となります。
 
では、「記憶されたい術語」に戻ります。

 

吉凶

吉凶の度合いを示す言葉が登場します。そもそも吉凶は何について言うのか? 確認しましょう(p.33)。

未来についてのよしあしの判断辞。

今でも過去でもなく、「未来について」、よいのか、悪いのか? これを問題にします。

 

未来が相談者にとってどういう「時」となり、その人の人生にどういう意「義」があり、その後の人生に対してどういう効「用」があるのか? これが卦で示される時・時義・時用なのでしょう。それを「判断辞」で分類します。

  • 吉:よし。
  • 咎:とが(災難、罪過)なし。吉とはゆかぬがわるくない。
  • 悔、吝:同程度で凶までゆかないわるい運。
    • 悔:後悔のあること。
    • :羞(は)ずべきこと。
  • 凶:わるし。
悔、吝は「同程度」なので、都合四段階です。本田は以前の箇所で「中庸をたっとぶ中国的智慧」と述べていましたが、吉でも凶でもない中庸は、ここでは出てきません。良くも悪くもない、という状態は、そもそも想定されないようです。
 
『易経』の構成
また前後しますが(^_^;) 「記憶されたい術語」(p.31以下)から離れ、『易経』の構成に関わる用語を見ておきます(p.9)。
 
「経」は本文、「伝」は解説の意味だそうで、『説卦伝』は『易経』の本文ではなく、解説です。
 
『易経』は経(本文)と、(後に追加された解説である)伝を併せて言う用語のようで、本来の本文は『周易』と言うようです。ただ、これは今日一般に占術名として使われ、「断易」と対比されるようなので、占術ではなく書名であることを明確にするため、経を『易経』と呼んでおきます。
 
さて、『易経』は「卦辞」と「爻辞」で構成されるそうです。「卦辞」は卦の意味合いを記したもので、「爻辞」は卦を構成する各爻の説明のようです。実は、爻辞は変爻と関わりますが、詳しくはまた今度。
 
 

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サミー

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