海の足線の電車に蹴っ飛ばされて怪我をした。
その後養生に、一人で天神様の溝の口病院に出掛けた。
膝の傷が治らなければ一生膝カックンになりかねないが、そんな事はあるまいと医者に云われた。
二三年生きていれば後は心配はいらない、とにかく要心は肝心だからといわれて、それで来た。
三週間以上、、、
我慢できたら、、、
五週間位居たいものだと考えて来た。
然しながら、、、
四日間いて、自分は此処を去った。
それから、もう一日以上になる。
自分は膝カックンになるだけは助かった。
溝の口にて
能古直哉著