こんにちは
わたくし、自他ともに認める雨女です。家族からは「水神様」と恐れられていますが…本日は台風前で日が照ったり土砂降りになったりする不安定なお天気
3回あった土砂降りに全て遭遇し、自分の能力を改めて認識した今日この頃でございます
さて本日は伝説の脚本家の半生を描いたこの作品をご紹介。
2015年公開のアメリカ映画
第二次世界大戦後、アメリカが新たな敵とみなした「共産主義」。政府により共産主義者、もしくはそのシンパと見なされた人々は法を犯したわけでもないのに公職を追放されたり、投獄されたりと理不尽な扱いを受けました。
やがてその波はハリウッドも襲い、共産党員でもあり組合活動に熱心だった脚本家のダルトン・トランボは議会での証言を拒否したため投獄されてしまいます。やがて釈放されますが彼の脚本を使う映画会社はなく匿名で名作を発表していきますが…
ダルトン・トランボの名前を初めて知ったのは確か「ジョニーは戦場へ行った」公開の時だったと思います。
かなり昔のことで記憶があやふやなのですが、宣伝文句に「ダルトン・トランボの傑作」みたいなのがあり、脚本家がクローズアップされる映画ってどんなんだろうと思った記憶があります。
日本公開が1973年、わたくしは小学校高学年でしたからもしかしたらもっと後年のことだったかもしれません。
映画は赤狩りの被害にあったトランボを含む「ハリウッド10」と呼ばれる人々の苦悩を中心にトランボを支える家族の愛情、糾弾する側の人々の理不尽な行動を描きます。
新作なのでストーリーは詳しく書きませんが…
ん〜!全体的に軽いタッチですねぇ。
もちろんシリアスで重いからといって主人公の苦悩が伝わるかといえばそうでもないのですが…
どちらかというとトランボの苦悩の半生を描きながらもエンターテインメント性を重視した内容になっていますね。
「赤狩り」を描きながらもなんとなくゴシップ色が強い感じになってる気がしたのはわたくしだけでしょうか。
実際のトランボの生活はもっと困窮を極めたものだったはずです。
「赤狩り」についての詳しい知識はありません。チャプリンがハリウッドを追われたこと、名匠エリア・カザンが自らの疑いを晴らすため同僚を「売った」ためその後半生に暗い影を落としたこと、糾弾する側にジョン・ウェイン、ロナルド・レーガン、サム・ウッド、ヘッダ・ホッパーといかにもな面々が連なっていることなどを断片的に知っている程度です。
リリアン・ヘルマン女史が「ならず者の時代」と呼んだのも有名な話ですね。
自由の国アメリカの華やかな夢の都、ハリウッドにもこんな暗黒の時代があったことを若い世代にアピールするには良い作品かもしれません。
監督はジェイ・ローチ。なんと「ミート・ザ・ペアレンツ」「オースティン・パワーズ」シリーズの監督さんではありませんか!いやぁどちらもお下劣道まっしぐらの作品でしたねぇ。
え?はい。こういった作品も拝見いたしますよ。それ以外の作品は存じ上げませんが。
ジョン・ウェインやカーク・ダグラス、オットー・プレミンジャーなどなどが実名で登場して楽しませてくれますが、なるほどこのサービス精神もこの監督ならではかもしれません。
匿名で書かれた数々の名作のエピソードも楽しいです。
今作が転機になると良いですね。
トランボにはブライアン・クランストン。TVドラマでは有名ですがメジャー映画の主演は初めてではないでしょうか。「アルゴ」の上司や「ロック・オブ・エイジズ」の市長さんが印象に残っていますが好演ですね。
個性的な俳優さんではありませんが、自信家で頑固な脚本家を自在に演じています。
トランボを支える家族にダイアン・レイン、エル・ファニング。
ゴシップの女帝、ヘッダ・ホッパーにデイム・ヘレン・ミレン(怪演と聞いていましたがそうでもありません)。
B級映画の脚本を書かせる制作会社社長にジョン・グッドマンとそうそうたる脇がクランストンを支えます。
夏休みの大作がひと段落した劇場で順次公開されているようですので、これから公開の劇場もあるようです。
見逃した方は是非ご覧になってください。
ジョン・ウェインが存命ならトランプさんの応援に馬に乗って駆け付けたかも…なんて思いながら★★★☆☆
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